7月17日  本日は女優大竹しのぶさんのお誕生日です

大竹さんは私と同じ1957年(昭和32年)生まれなので 当たり前ですが同い年です。明石家さんまさんと 男女七人のドラマで共演したのがきっかけに結婚されましたが 事情があって離婚されました。娘のIMALUさんはタレントとして多方面で活躍しておられます。美人ではないけれど 結構頑張っているように思いますが ご両親の七光りが強すぎるので あまり評価されていないみたいで 逆に可愛そうな気もします。

大竹しのぶさんは私が高校生の頃にかなり好きな女優さんでした。アイドルでは浅田美代子さんでしたが 女優では大竹さんと原田美枝子三が大好きでした。ちなみに原田さんも私と同い年です。大竹さんは若い頃からテレビドラマなどにチラホラ出演されていましたが あまり印象に残っていません。所が 五木寛之さんの小説「青春の門」を映画化された時に小説を先に読んでいて 主人公伊吹信介の幼馴染牧織江という女の子が非常に好きになっていて大竹しのぶさんが演じました。大竹さんは私の牧織江のイメージにかなり近かったので 牧織江が大好きだから大竹しのぶさんも大好きになったのか 大竹しのぶさんが好きだから牧織江が余計に好きになったのかはよく分かりませんが とにかくその映画を見てから、大竹さんを女優として大好きになりました。

「青春の門」は五木さんのライフワークと言われていて 第一部である「筑豊編」を読んだのが中学生の頃であり 同年代の主人公に大いに共感しました。その後「自立編」「放浪編」「堕落編」あたりまでは単行本化されたら文庫本ですが 直ぐに必ず購入して繰り返し読んでいました。ところが その次の「望郷編」が単行本化されるのに結構時間がかかったみたいでその辺りから読むペースがだいぶ遅くなってしまいました。結局その次の「再起編」までは何とか読みましたが「挑戦編」と「風雲篇」は全然読んでいません。調べたところなんと最後の「風雲篇」は単行本化されていないのだそうです。

そもそもこの小説は週刊現代に 連載されていたのだそうですが述べ数十年にわたって書かれた小説の最後の編を単行本化されずにおいておくなどという事が許されてもよいのでしょうか。「挑戦編」まできっちりと呼んでおられる方にしてみれば 話の結末が読めないのでは 納得がいかないと思います。

同様に話の結末が読めなくて納得がいかない小説と言えば 栗本薫の「グインサーが」があります。栗本さんの知名度がどの程度なのかよく知りませんが この大河小説を読み始めたのは岐阜大学に通い始めた 一年生の夏休みでした。殆ど同時に全然接点のない三人の人から勧められたので 読み始めました。当時で多分30巻ぐらいが書店に並んでいたころだと思います。栗本さんの当初の予定では全100巻ぐらいで完結するはずだったそうです。所が最初の5巻ぐらいで ほぼ登場人物や時代背景 世界観などの全ての導入部分が描かれるはずだったのに そこまで描くのに20巻ぐらいまでかかってしまったので 完結するまでにどれくらいかかるのか 書いている栗本さん本人ですら見当がつかない 位にスケールの大きなストーリーでした。

一巻のページ数はそれほど大したことがなかったので 夏休みだったこともあり ほぼ一日一巻のペースで読み進めました。約一か月間で出版されている最後の巻まで読んでしまいました。それぐらいにめちゃくちゃに面白い小説でした。私はそれまでミステリー系統の小説はあまり読んだことがなかったために 尚更新鮮で楽しかったのかもしれません。最後の巻まで読んでしまうと過ぎの感がいつごろ出るのか楽しみでしょうがありませんでした。

この小説の不思議な所は 待ちに待った最新巻を手にすると 直ぐに一ページ目柄読むことはありません。必ず最後の後書きから読み始めます。後書きには 栗本さんの近況報告が書いてあります。どの場面の表現に苦心したとか どこそこに旅行に出かけてどんなものを食べたとか 家族がこんなことをしたとか栗本さんの身の回りの事がいろいろと書いてありますから、ファンにすればまずあとがきを楽しんでから本編の小説を読んだものでした。

大体年に三巻から四巻のペースで本が出ますので熱心なファンはかなりじりじりと待ちわびていた事と思います。栗本さんは「グイン」だけではなくて「魔界水滸伝」「伊集院大介」「トワイライトサーが」等のシリーズを同時進行で執筆していましたから 作家としては凄く筆の早いタイプだったのだろうと思いますが 小説の進行としては 待ちわびているファンにとってはかなりゆっくりだったと思います。何しろ作家としての活動だけではなくて 中島梓という名前でテレビタレントとしても ミュージシャンとしても活躍されていましたから あまりの多芸多才ぶりには ファンも呆れるしかありませんでした。

正直な所 私は70巻ぐらいまでは新巻が出るたびに飛びついて買ってよだれを流しながら読むぐらいのファンでしたが さすがに待ちくたびれてきて またされるのに飽きてしまい 興味が薄れてしまいました。あまりに長い小説で 登場人物もすごく多いので かなり前の巻での前振りを忘れてしまっていて ストーリーのつながりが分からなくなって 仕方なくかなり前の部分から読み直さなければならなくなったことが度々あったからです。

申し訳ありませんが 私にはグインサーガのスケールを受け止めるだけの器の大きさがなかったのだと思います。まことに残念な事ですが栗本薫先生は2009年にすい臓がんで永眠されました。結局グインサーガとしては160巻ぐらいまで発行されていたのだそうです。ストーリーの結末は栗本さんの頭の中では 書き始めた時から出来上がっていたのだそうですが 誰にも語られることなく 栗本さんが棺桶に持って行かれたのだと思います。最終巻までワクワクしながら読まれていた 本当の栗本ファンにしてみれば 泣くに泣けない結末だったと思います。

今後これほどスケールの大きな小説を書かれる作家があらわれうるのかどうかわかりませんが 私も自分の年齢を考慮したら これから完結するまでに数十年もかかるような 超大作はうっかり読みはじめない方が賢明だと思っております。最後になりましたが 栗本薫大先生のご冥福を 心よりお祈りいたしまして 終わりにします。

 

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