7月18日 私は違いの分からない男なのです

昔 インスタントコーヒーのテレビコマーシャルで「違いの分かる男」と言うフレーズがありました。多分ネスカフェのゴールドブレンド辺りのCMだったと思います。インスタントコーヒーなんて どれも似たり寄ったりのような気がしますがゴールドブレンドは それまでのインスタントコーヒーが細かな粉末だったのに対して 瞬間冷凍 瞬間乾燥 と言うこれまでとは違った製法なので 見た目にも顆粒状で今までのものとは異なりますし 味や香りが 段違いだというのが売り文句だったように思います。数十年前の出来事ですので 全然見当違いの事を書いてしまっていた場合は 笑ってお許しください。

見た目が粉末状と顆粒状と 違っていましたし 我々貧乏人にとってインパクトがあったのは 価格がグンとお高くなっていました。ですから 当時は段違いに美味しいに違いないと信じて 有難がって飲んでいたように思います。確かにコーヒー豆を挽いてサイホンなどでいれたコーヒーとは 香りなどが大分劣っていたのでしょうが 少なくともそれまで飲んでいたインスタントコーヒーよりは 瓶のふたを開けた時からの香りが違っていた事には気づいておりました。

現在 インスタントコーヒーは 幾つかのメーカーから販売されていますが その殆どの商品が 顆粒状になっていますので 正直な所 メーカーによる違いを 殆ど感じる事が出来ません。ですから 正直に私が違いの分からない男だと申し上げているのです。今の季節は 暑い時期なので 毎朝 少量の湯を沸かして インスタントコーヒーを濃いめにいれて たっぷりの氷で冷たくして飲んでおります。勿論フレッシュもたっぷりと入れますし カロリーゼロの甘味料もたっぷりと入れております。そんな雑な作り方飲み方をしておりますから 尚更 メーカーの違いも商品による個性の違いも分りませんが それなりに美味しいアイスコーヒーを頂いており 自分としては毎朝満足しております。

昔は違いの分かる男に憧れた時期がありました。やはりコーヒーは自分で選んだ豆を買ってきて ハンドミルで自分で飲む直前にガリガリとひいて サイホンでたてたコーヒーが美味しいはずだと思って それなりの道具を揃えて 何とか豆による味の違いを見分けられるようになろうと 努力したものです。しかし幾ら頑張っても 豆による味や香りの違いが 何となくは感じるのですが この味は どの種類の豆なのか いくら努力しても 明確にピンとはきませんでした。

そのうち ドラマで見ていてカッコいい主人公である 「相棒」の杉下右京さんや「メンタリスト」のジェーンさんが 紅茶党なので コーヒーを諦めて紅茶の茶葉の種類の違いを 感じ取れるようになろうと 何種類もの茶葉を購入してきて 変わりばんこに飲んだことがありました。こちらも何となく味と香りが異なるのは 辛うじて理解できましたが この味はこの銘柄の茶葉だ とは何時までたっても自信を持って断定できるようにはなりませんでした。

ですから 私恥ずかしながら コーヒーも紅茶も 違いが判らない 味音痴なジジイなのです。人間ある程度の年齢に達したら 若い頃よりは 色んな意味で違いが分かってくるのだろうと思っておりましたが 私は目も見え辛くなる一方ですし 耳もどんどん遠くなっているのを実感します。少し坂道を歩くとすぐに息がきれますし 根気が無くなってきたので 好きな事でも夢中になって時間を忘れるようなことが無くなりました。

ひたすら痴呆症で周囲に迷惑を これまで以上にかけまくる年寄りへの一本道を突き進んでいるみたいです。これまで以上に 特に大切な奥様にご迷惑をおかけするのなら 下手に長生きはしたくありません。これまで散々 恥をかきまくってきた人生ですから 散り際位は 幾らかでもカッコよくしたいのですが 友人にこのことを話すと 「絶対に無理や」としか言われたことがありません。最後の最後まで面倒をみてもらえるように 今からできる奥様孝行にだけは励んでおこうと思います。

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