7月23日 現在の就職活動について

とある友人の息子さんが就職活動をしていて ある企業から内定をもらっていたのだそうです。所がその企業が急激に業績が悪化したために 内定を取り消されたことで 大変憤慨していました。私にはちょっと理解しがたいことなのですが その子はまだ大学の三年生なのです。

そもそも就職活動でもらう内定 という言葉にはどのような意味合いがあるのでしょうか。内定とはあくまで決定に至っていない段階ですから 取り消されることがあっても当然のように思っていましたが 一般的に就活でいうところの内定とは ほぼ決定と二アリーイコールなのだそうです。

その息子さんもその企業がほぼ第一志望だったので 内定をもらった段階で 就活を終了してしまったのだそうです。私の感覚では正式に採用されて 現在進行形で働いている社員でも 突然解雇を言い渡されるかもしれないぐらいに 景気は好転していないと思います。まだ採用の内定をもらっただけの段階で 業績の悪化が明らかになったのは 客観的に見ればむしろラッキーなことではないのでしょうか。その会社に入社して 社員として働き始めてしまってから 突然解雇されるよりも よほど受けた傷は小さいように思います。

私の頃と就活の時期も 事務的な手続きや 会社からの対応法等も全然異なっているみたいです。ですから 今から就活をやり直すことがどれだけ後れを取ってしまったことなのか 見当もつきません。でも今からでも就活すれば 少なくとも新卒者として入社できるはずですから やはり後れを取ったのだとしても この時期から就活を再開できるのは 一旦入社してしまって 中途採用の枠で就職先を探すよりも断然有利だと思います。

私が立命館大学でやった就活は そもそもスタートが四年生の春でした。その時期に就活説明会が開かれましたので 参加して 就活のやり方を初めて知りました。それまで就職課など行ったことがありませんでした。就職課で求人票を見て 自分と同じ専攻の先輩がどの様な企業にどれだけ就職しているのか 調べてみました。私の専攻は 理工学部化学科高分子学研究室でした。

食品や製薬などの業種から 取り敢えず聞いたことのある会社名を頼りに 資料をかき集めて 先輩に具体的な仕事の内容や待遇面などを教えてもらい 面接を受けるのかどうか判断していきました。夏休み前に 製薬業界に絞り込んで いくつかの面接を受けてみました。結局お盆前に四社の面接を受けて三社から内定をもらいました。落ちた一社は持田製薬で 会社の不手際だと思うのですが面接が始まるのがかなり遅れてしまったのです。

私は「持田製薬ではこんなに時間にルーズなことがまかり通っているのですか?」と大きな声で質問してしまいましたから 喧嘩を売ったみたいな恰好で 落とされても仕方がなかったと納得しています。お盆前に何とか中外製薬という 製薬業界では中堅どころの内定をもらい一安心しました。

私たちの頃の正式な就職活動は十月一日スタートで 内定を出す試験は十一月一日スタートと決まっていました。ですから普通の企業の場合 内定を出した学生がほかの企業への活動に動けないように十月一日は健康診断なり会社見学なりの行事を設けて その学生を拘束してしまうのが普通でした。所が中外製薬からは何の拘束もうけなかったので 十月一日に物は試しと  製薬会社の大手の一つ塩野義製薬の説明会に飛び込みで参加してみました。勿論塩野義でも採用枠のかなりの割合は既に内定を出しているのでしょうが 一応建前として十月一日以降にやってきた学生も採用するはずだと思っていたからです。

割とすんなりと二次面接にまで その日のうちに進みました。帰りがけに日にちを指定されて健康診断を受けるようにと指示されました。私は塩野義について殆ど予備知識がなかったので 大学の就職課の資料を確認に行くと 塩野義の場合は健康診断を受けるようにと指示をもらえたら 実質的に内定が確定的であることを知り 喜びました。別に中外製薬も大概の人が知っている大企業でしたから 別に不満があったわけではありませんが 塩野義の場合 ある意味正規のルートを通って(就活の正式解禁日十月一日に初めて訪れて) 予備知識や準備もないままに 面接を受けて 合格を勝ち取れたのですから 自分の実力を評価されたように思えたので 塩野義に就職することにしました。

後で調べたら 塩野義は確かに資本金や従業員数でみると武田に次ぐ大手ではありますが 給料は安いし その割に仕事がきついとの評判だったので 中外に行った方がよかったかもと 少しだけ思いました。でも塩野義に進んだおかげで いろんな人との出会いがありもう一度獣医師を目指す決意が出来たのですから 結果的には良かったのだと思います。

二つ目の大学岐阜大学の場合は 就職活動と呼べるほどの動きはしていません。卒業したら 取り敢えず地元の大阪に帰るつもりだったので 大阪で研修できる病院を選び 電話で連絡を取り 訪ねて行って一日見学させてもらって よろしくと頭を下げただけでした。

私の就活などはどうでもよい話ですが 友人の息子さんはいくらか後れを取ったのは間違いないのかもしれませんが 塩野義のように会社は採用枠に後から見つかった有望な人材の為に必ず余裕を持っているはずですから 実力さえあれば 今からでも頑張れば希望に近い会社にきっと就職できると思いますから 内定取り消しをラッキーな知らせと考えるポジティブシンキングで乗り越えて欲しいと思います。

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