7月8日 本日は 語呂合わせで 質屋の日なのだそうです

質屋さんと言うお店があることは 昔からドラマなどで見かけていましたから 知ってはいました。只 私の実家でも 子供だから知らなかっただけなのかもしれませんが 利用したことはないと思います。父はさして大きくも有名でもないけれども 堅実な会社をきちんと勤め上げましたから 勿論贅沢とは縁遠い生活でしたが 母が家計のやりくりで苦労している姿を見た覚えはありません。私自身としても
正直親の援助を受けずに岐阜大学に通っていたころは かなりの貧乏暮らしをしていましたが、質屋さんを利用することはありませんでした。
まあ質屋さんを利用しようにも 預かってもらえるような 価値の高いものを所有していませんでしたから 利用できなかったのが 正直な現状かもしれません。なにしろ 六年間のうち半分ぐらいは テレビも持っていませんでしたし 下宿に風呂が無くて 銭湯通いの生活でした。それまでの生活は 大学を卒業するまで実家から通っていましたから殆ど不自由のない生活でしたし 塩野義製薬での短いサラリーマン時代は かなりの高給取りでしたから 一人暮らしでも凄く余裕のある生活でした。 
本当にお金がなくて苦労したのは 岐阜大学に通っていたころだけかもしれません。逆に この貧乏を恐らく後にも先にもここだけだろうから 楽しんでやろうという気持ちになっていました。大学のサンドイッチ屋さんのお姉さんと仲良くなって 食パンのへたと言うか端っこの部分をまとめてもらえるように お願いしました。食パンの端っこの部分は 中身の白い部分よりも充実しているので三枚も食べればお腹が満足してくれます。パンに塗るのは 最初はマヨネーズを使っていましたが 生協の食堂に置いてある サラダのドレッシングをコッソリと持って帰り代用していました。
私は このパンのヘタを貰って主食にしていることが うれしくて大学の友人にウッカリ話してしまいました。学生なんて みんなそこそこ貧しくて腹ペコであることを忘れていました。友人に話してから一週間もしないうちに 何時ものサンドイッチ屋さんに行ってみると 私以外にも貰いに来る人が何人もいて 今日はもうないという事でした。友人に話したことを後悔しましたが 遅すぎました。私にとってありがたい話は 誰にとっても美味しい話なのですから うっかり口に出さないようにしなければならない事を学びました。
私は子供の頃から 還暦を過ぎた今でもカレーが大好きです。親から時々米だけ送られてきたので 白ご飯にカレーをかければ私にとっては取り敢えずのご馳走です。但しお金がないので 牛肉を買う余裕がないので もっと安いものでなんとか代用できないかと いろいろ工夫してみました。シーチキンにマヨネーズをかけたおかずは 当時凄く美味しく感じましたので カレーにも入れてみましたが 歯ごたえが全然ないし 生臭さがどうしても消えませんでした。当時やはりおかずの主役として頑張っていたフィッシュソーセージでも試してみました。大きめのサイコロ状に切って フライパンで表面をかなりこんがりと焼いてカレーに投入してみました。
フィッシュソーセージは そのままマヨネーズをかけて食べても 美味しいし ひと手間かけてフライパンでこんがりと焼いて 塩コショーで味つけするとさらにおいしくなりました。当時の私としては コンガリ焼いたソーセージは かなりのご馳走なのですが 残念ながら カレーに入れても やっぱり牛肉の代用品には なりませんでした。関東の方は カレーに豚肉を使われるみたいですが 私は関西人なので ポークカレーと言うのは 認めたくありません。上手に調理すれば勿論ポークカレーも美味しいのでしょうが やはりビーフの美味しさには遠く及ばないように思います。
大好物のカレーですから いろいろと工夫して 代用品を見つけようとしてみましたが 結局は上手くいきませんでした。授業で牛の解剖をしたときに 骨格筋は最初にその形状を観察したら 持ち帰りを希望する学生に分け与えられます。ひれやロース と言った美味しい部分は 先生たちが持って帰りますが モモ肉の二~三キロの塊を簡単にもらえますので たっぷりと牛肉の入ったカレーを大量に作って クラスの友人たちに振る舞ったことを覚えています。カレーは一番の好物ですから 一番の得意料理でもあり みんなが喜んでくれました。やっぱり牛肉がたっぷり入ったカレーはだれが作っても美味しいのかもしれません。
下宿に風呂がついていない時代は 毎日銭湯に通う余裕がなかったので 朝大きな鍋にお湯を沸かして タオルを浸して体を拭きました。大学の体育館の更衣室に水しか出ないシャワーがありましたので 夏場は コッソリと利用していましたが やはり夏場でも水のシャワーは辛かったです。勿論毎日風呂に入りたかったけれど とにかく銭湯の料金が確か三百円位でしたから 三百円あれば 大学の食堂でお腹いっぱいになれましたので どうしても食費に回ってしまいました。
質屋さんの話をするつもりでしたが いつの間にか岐阜大時代の 貧乏自慢ばかりしております。まあこれからも私の生活に質屋さんが登場することはなさそうなので 致し方ないのかもしれません。聞くところによると 現在の質屋さんは 生活に困った方が 何か価値のあるものを持ち込んでお金を借りていくために利用されるよりも 女性が男性からプレゼントされたブランド品などを換金するのによく利用されているのだそうです。私は女性にブランド品なんてプレゼントしたことがありませんから そういう意味でも知らないうちに質屋さんを利用されたことはなさそうです。

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