8月11日 金庫の鍵が 咄嗟に開かなくなってしまいました

今夜 ホテルでお預かりしていた小型犬を 直ぐにお返しできるように 受付のカウンターの足元に自由な状態で 放しておきました。八時間際になって ようやくその犬の飼い主さんがお迎えに来られました。飼い主の声が聞こえたので 待ちわびていた犬が 私の足元で急にジタバタ動き始めました。全身で 喜んでいたので やはり足元にある金庫のダイヤルを大きく回転させてしまいました。その為に 普段は少しだけダイヤルをずらして 開錠される状態にしてあるのですが 大きくダイヤルが回ってしまったために始めから開錠の手続きをしなければならない状態になってしまいました。
この金庫は 数十年使用していますので 解錠のための四つの数字は はっきりと覚えていますが その順番が咄嗟に 出てきません。慌てて金庫を開錠しようとしましたが 一旦落ち着かないと上手くいきませんでした。その飼い主さんは お支払いをぴったりの金額で支払って頂けたので 取り敢えずお会計を済ませて ワンちゃんをお返ししてお帰り頂きました。そこで一旦落ち着いて 開錠するための四つの数字を紙に書きだして 冷静になって 最後に合わせる普段見慣れた数字を思い出し 次いでその前に合わせていた数字まで 思い出しました。解錠するときには 何時も最初に何度も右に回して 最初の数字をあわせて その逆回りに三回次の数字と思われる数字をあわせました。更には逆回しで 右に三つ目の数字と思われる数字を二回合わせて 最後にいつも最終的に合わせている数字に合わせました所 何とか無事に金庫が開いてくれました。
かなり久しぶりに金庫を始めの手順から開錠しました。私も還暦をだいぶ通り越してしまいましたから 物忘れをして困ったことが 結構頻繁に経験しております。残念で悔しいことですが こんなことが 年齢が進んだことによる 衰えだと実感せざるを得ません。なので この金庫の開錠のための数字も どこかに書き留めておいた方が良いのではないかと思わないではありません。覚書 備忘録的なノートを作るべきだとは思いますが そのノートをどこに保管しておくべきなのか 若干悩んでしまいます。大事なものだから金庫に入れておくべきかもしれませんが 肝心のその金庫を開錠するための数字を書いたノートを金庫に入れてしまっては いざと言うときにみる事が出来ないでしょう。過去の帳簿など 重要な書類を保管してある棚に 置いておけばいいのかもしれません。そんな棚は 普段は触りもしないのでウッカリどこにしまったか忘れて困ったりすることも無さそうです。
私の父は 自分がボケていることをいくらかはさすがに自覚していたのだと思いますが プライドの高い人間だったので 最後の最後 死ぬ間際まで自分がボケていることを認めるような発言はしませんでした。しかし現実は悲しいかな 自分の重要な書類の類 色んな証明書や通帳の類など一切自分で管理できていませんでした。以前はかなりきちんと掃除も行き届き 片付けもほぼ完ぺきにできていた実家が 数年ぶりに訪れたら ほぼゴミ屋敷のような状態になっていました。私と妹が何度も何度もそれ相応の施設に入ることを勧めましたが 巌として受け入れずに ゴミ屋敷で惨めな晩年を過ごしていました。ある時自宅内で倒れて動けなくなっている事件が起こって 長男の私が呼び出されて 実家に帰ってみると 玄関の付近で倒れて動けない状態で発見されました。体は冷たくなっていましたが 何とか意識だけはある状態でした。何時頃からそんな状態であったのか 本人に問い質しましたが やはりこんな時でも本人のプライドが邪魔したみたいで なかなか正直に答えず 結局どれくらい倒れっ放しだったのか 不明のままになってしまいました。
そんな事件があったので私は父と大喧嘩をしてから 絶縁状態になり 実家を十年近く訪れておりませんでしたが 一応長男の責任で 取り敢えずは入院の手続き 実家内の重要書類などの管理 退院後の生活の場についてなど いろいろと駆けずり回りました。まあそこそこため込んでいるであろう父の世話をするのは 何も相続の財産が目当てではありませんでしたが 長男としての責任上 果たさざるを得ないと考えました。そんな父の 惨めな晩年を見ていると 自分もいずれは 周囲の人間に迷惑をかけまくるのだろうと思います。これまでさんざん周囲の人間に迷惑や不快な思いをさせてきたことは 強く自覚しておりますので 最後ぐらいは見事な人生の締めくくり方をしたいと考えております。別に大層なことをしようとは考えておりませんが 自分が亡くなったら 火葬場に直送してもらって 無縁墓地にでも放り込んでもらいたいと考えています。私などの為に葬式などの仰々しいことは絶対にしてほしくありません。私は仕事柄 強く信じているのですが 死んだらお終い 死後の世界なんか全く存在しないと考えております。
勿論死期が近づいたら 延命のための治療など一切拒否します。無論苦しんでのたうち回るのは 望みませんし 日本では安楽死もなかなか認めてもらえそうにありませんが 死ぬときは出来るだけあっさりとぽっくりと亡くなることを 切に願います。なかなか人生これまでも思い通りにいかない事ばかりでしたので この事も希望通りにはいかないのでしょうが 死んだ後まで迷惑をかけまくられたとだけは 思われずにすらりと亡くなれることが 現在の私の一番の望みと言えるのかもしれません。勿論そうなるまでに これまでに貯めこんだ僅かな財産を見事に使い切って 大いに楽しんでからの話にしたいと思っております。

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