8月18日 1927年の本日 城山三郎さんが誕生されました

私は 最近こそサッパリ読書をしなくなってしまいましたが 小学生のころから 三十歳前後までの 私の人生の前半は 殆どが小説ばかりですが かなり沢山の作品に目を通しました。作家さんとしては 栗本薫さんのものが圧倒的に多くて それに次いで 石坂洋二郎さん 五木寛之さん 司馬遼太郎さん辺りの作品は 相当数読破したつもりです。栗本さんは 勿論ミステリー作品が殆どでしたし 石坂洋二郎さんと五木寛之さんは青春を題材とする小説 司馬さんは勿論歴史小説が主でした。城山さんの作品は それ程沢山読んでいるような実感がなかったのですが 経済小説自体が 私が無意識に好きだったジャンルだからかもしれませんが 書店でその作品名から 内容を類推して 面白そうだと思って購入して せっせと読んでいたみたいです。
普通は 作家さんの名前で 購入する本を選ぶことが多いように思いますが 城山さんの小説の場合 そのタイトルの魅力にひかれて 購入しては読んでいたみたいなので 思っていたよりもかなり沢山のお気に入りの小説があったことに 正直驚いております。一番最初に城山さんの作品と出会ったのは 「官僚たちの夏」という 今はなき通産省の高級官僚の 仕事や出世を描いた小説です。私は 公務員になろうなどと考えたことが全くなかったし 通産省という役所が具体的にどのような仕事をしているのかさえ 全く知りませんでしたので 凄く興味深く読み進めました。読み終わった時には かなり面白かったので 城山さんのファンになっていたのかもしれませんが その後かなり沢山の城山さんの小説を購入して読んでいる割には 城山さんの作品だからという気持ちで選んだことは 殆どありませんでした。
次に読んだのが 城山さんの代表作と言えるのかもしれませんが「総会屋錦城」です。直木賞を受賞された作品だとは知らずに読みましたが そもそも総会屋なる人たちの存在すらほとんど知らなかったので 株式会社の仕組みや 総会屋という職業の人たちが 世の中に相当数存在することを知って 非常に興味深くそしてある意味恐ろしさを感じました。一応塩野義製薬という株式会社に数年勤めましたが 単なる一平社員でしたので 株主総会がいつどのような形で開かれているのかさえ全く知りませんでしたから 見知らぬ世界を描かれていて 興味深かったです。
その後「素直な戦士たち」という作品を読みました。わが子を東大に合格できるように育て上げる母親の物語でしたが そのシュールな内容に好感は持てなかったけれど 文章が読み易くて 割と自分に身近な題材が取り上げられていたので 大変面白く読み終えられました。その後「重役養成計画」や「百戦百勝」など 割とコミカルな内容でしたので すごく面白くて楽しめました。その後「乗っ取り」という小説は タイトル通り株を買い占めて 会社そのものを乗っ取ってしまおうという一味を描いた小説でしたが 株の売買では 私の父が数千万円もの財産を喪失しておりますので 自分には全く無縁の社会の出来事として理解しましたが いろいろな人間関係やお金がらみの人間同士のしがらみなどが描かれていて 身近には感じられませんでしたが やっぱり面白かったです。
他に読んだ小説としては「男子の本懐」や「毎日が日曜日」「黄金の日々」「価格破壊」などなど他にも思い出せないでいる小説が少なからずありそうですが 城山さんの小説は 特に感動したり 涙を誘われるようなシーンは殆どありませんでしたし、勿論エロチックな場面を描いたシーンなど全くありませんでしたけれど 本当にどの作品も 面白くて一気に最後まで読み通してしまいましたから 凄く魅力的な作品ばかりだったと思います。今のお若い方には 殆どそのお名前さえ知られていないのかもしれませんが 特に男性なら 一度城山さんの小説を読んでみられることをお勧めします。多分普通の本屋さんで 城山さんの作品を探せば 簡単に見つかると思いますし 文庫本でしたら そこそこお安いと思います。ワクワクしながら きっと読めますので 是非ともお勧め致します。

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