8月13日 唇に釣り針が刺さったプードルが来院しました

私は 仕事を引退したら 海辺に移住するつもりですから 釣り三昧の暮らしが出来たらと 考えておりますが これまで魚釣りと言えば 小学生のころに家の近所の池で 鮒を釣ったことぐらいしか経験がありませんので ぶりなどを釣るときに使うルアーを うっかり床に落としたところ 犬がそのルアーにとびかかって加えた際に 口の中のどこかに引っかかってしまって 取れないので何とかして欲しいと電話がありましたので 実際の所の状況がどんなものなのか 正直見当がつきかねましたが 来院してもらいました。
そこそこ遠くの方でしたが よほど急いで来られたみたいで こちらが対応の準備ができたところで 飛び込んでこられました。とりあえず簡単に問診してから 診察室で 犬を診察してみました。犬種はプードルで 割とおとなしい性格の子でしたので 頭をなでてから 目や耳の状況を調べてから 問題の口の周囲を診てみました。右の口から ルアーといういわゆるカラフルな疑似餌に 三方向に反り返った 簡単にかかった針が外れないための大きな返しがついた釣り針が 犬歯の根元の辺りの歯茎に がっちりと突き刺さっているのが 確認できました。
大人しい性格の犬でしたので 何とかそのままの状態で 刺さった針を鉗子に挟んで 抜こうと試みましたが 大きな返しの部分がしっかりと引っかかっているので 簡単には外せそうにありませんでした。飼い主さんが出血してもいいから 強引に針を引き抜いてくれと 言いましたが 固い歯茎の部分にがっちりと食い込んでしまっているので 力ずくで蓮そうとすると 痛がって 暴れて噛まれそうになるので そのままの状態では針を外す処置は難しいと判断しましたので 軽く麻酔をかけてから 鎮静化した状態で 針を外す作業をすることにしました。
飼い主さんに麻酔をかけるので 承諾書にサインをもらってから 導入麻酔を注射しました。すぐにふらふらとした足取りになりましたので マスクをかぶせて さらにもう少しだけ麻酔状態を安定させてから 口を大きく開いて 歯茎の部分にがっちりと刺さっている大きな返しのある釣り針を 出来るだけ歯茎の傷が広がらないように注意しながら そっと外すことに成功しました。歯ぐきから 当然そこそこの出血がありましたし 軽くて短時間ですが 麻酔をかけたので 皮下点滴と抗生剤や消炎剤 止血剤などを投与して 明日以降の飲み薬をシロップで数日分用意して 投薬にやり方などを指示して 渡しました。
恐らく明日の朝には ほぼ普段通りの生活に戻れるでしょう。飼い主さんとしては いつもの所に置いていた釣り針を口にした犬の方が悪い といった口ぶりで説明されていましたが 犬の行動範囲内に そのような危険なものを置いていたのは 飼い主さんの不注意だと考えるべきかもしれないことを話して むしろワンちゃんの方は 痛い思い 怖い思いをした被害者なのですから 今後はくれぐれもこの子の行動範囲 口が届くところに このような危険なものを置かないように注意してあげていただきたいと お願いしました。
以前には 普通の釣り針を飲み込んでしまい お腹を開けて 胃袋を開いて 摘出する 大手術になってしまった犬もいましたので 釣り針というのは 非常に危険な代物であることを 飼い主さんが十分に理解していただいて その扱い 管理には 十二分に気を付けていただきたいと思いました。
私が予定している移住先には その住宅内にプライベートビーチのような砂浜がありますし 歩いて十分ぐらいの所に 結構大きな突堤がありますので 年中何かしらの魚が釣れるのだそうです。そのすぐわきにある波止場には 年間一万円位で船を係留しておけるらしいので 同じ住宅地の人たちが 結構立派なクルーザーを繋いでいるのだそうです。まあ釣り自体が全くの初心者ですので 取り敢えずはクルーザーを所有しているような釣り好きの先輩方と仲良くしていただいて釣りそのものや 釣れた魚のさばき方などもご指導をお願いしたいと勝手に考えております。
船の係留代も 他に比べて凄く安いので いずれはモーターボートに毛が生えた程度の船を購入して 勿論船舶の運転免許も取得して 自分で近所の海に出かけたいと考えております。一日も早く 気楽に釣り三昧の生活に入れることを祈っております。

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