8月4日 1969年の本日 テレビドラマ「水戸黄門」がスタートしたのだそうです

その後四十年以上にもわたって 放送される TBSを代表する と言うよりも日本を代表する時代劇のテレビドラマがスタートする時期としては 中途半端ですから 当初はそれほど期待されていた企画ではなかったみたいに思えます。番組改編期とは程遠い時期ですから 恐らく四月に始まった番組があまりに低視聴率であったせいか 早期に打ち切りでもあったのかどうかは知りませんが 当初は取り敢えずの穴埋め番組的な意味合いの番組だったのかもしれません。
私が小6の夏休みからのスタートですが 印象としては もっと昔から 小さな子供の頃から 放送されていたようなイメージがありました。黄門さまは本来水戸にいらっしゃるはずの人物ですが そのシリーズの始まりに 結構水戸から遠い地域の藩にお家騒動的な問題が起こり 何故かその解決に黄門様が わざわざ乗り込んで解決をするために テクテク歩いて旅をしていく と言うのがお決まりのパターンでした。
典型的な勧善懲悪をコンセプトとした 家族で見ていて安心できるストーリーが 毎回毎回繰り返されますから 特に時代劇のお好きな高齢者のいる家庭では 月曜日の夜八時と言えば 四チャンネルの「黄門様」がお決まりになっていて安定した高視聴率を誇っていたのが 長寿番組になった理由かもしれません。何時も黄門様が訪れた町では 必ず悪代官のような輩が 蔓延って甘い蜜を吸いたい放題の 悪行三昧なので たまたま通りかかっただけの 黄門様御一行が 見事に悪事を暴いて 解決してみせて 黄門様の高笑いで番組が終わる平和なワンパターン番組でした。昭和から平成の前半を象徴する番組としては 手堅く視聴率の稼げる作り方の時代劇だったように思います。
只冷静になって考えてみると 黄門様が訪れる町では必ず 悪い奴らがのさばっているのですから 日本と言う国はそんなに悪事だらけの国であるのなら 決して喜べない状況ではないのか と思ってしまいます。風車の弥七なんて その町を訪れた黄門様が悪事を感知して 解決するために悪事を働いていそうな家に 潜入させるのなら 流れとして分らないでもありませんが いつも弥七が何気なく潜入した家が 悪人の家であるのがとても不思議に思っていました。
それから黄門様のドラマで有名なシーンとしては 由美かおるさんの入浴シーンでしたが 若かりし頃には映画などで かなり大胆なヌードシーンや濡れ場を演じておられましたので 雑誌に載ったその見事なお姿の写真を見ながら 何度も何度も自らを慰めていた時期がありました。黄門様のドラマでは 由美さんが入浴しているという状況だけで 十分に色っぽいシーンとされていましたので 実際にきわどいシーンが全然ないのがお決まりで 見る方も全然期待していないので 程よい番組のアクセントにはなっていたのかもしれません。
よく夕方四時頃から 再放送がされていましたので 部活の練習がない時などには 他に面白そうな番組がない時には 暇つぶしに見ていましたが 何時も番組の最期の五分間ぐらいが判で押したようなワンパターンでしたので 意外性などが全くなくてかえって安心できたのかもしれません。まあそれは 子供が喜んでみるヒーローものの番組も 何時も冒頭に新手の悪者が登場して 暫くはのさばって悪事を働きますが 後半にヒーローが登場すると やっぱりワンパターンでやっつけられて解決して 世の中が平和になるのですから 似たり寄ったりかもしれませんので 黄門様のドラマをそんなに馬鹿にしてはいけないように思います。
昨年の二月に 一応最終回が放送されてしまったらしいので もう今後復活することはないのかもしれませんが 典型的な勧善懲悪の誰もが安心して見られる時代劇なら今後も日本人の心に響く筈ですから 出来たらサイド放送をスタートしてもいいのではないかと思います。なお私が一番好きだった黄門様は やっぱり初代の東野英冶郎さんです。里見さんは 二代目の助さん役の時の印象が強いので 何となく違和感を感じました。
我が家では 黄門様のドラマよりも 残りの半年放送されていた 「大岡越前」の方が 母親が 主役の加藤剛さんのファンでしたので 人気がありました。番組としても 勧善懲悪は同じコンセプトですが 悪事を働く方のバリエーションが 色々あって楽しめたように思います。月曜日は プロ野球がお休みの日なので 野球放送で番組が飛んだりしないので 特にこの時間帯のドラマには ちからをいれていたみたいで いずれも結構面白かったと思います。
もうこれからは こんな長寿番組は絶対に誕生しない時代なのかもしれません。「相棒」だけが 唯一継続されていますが 水谷さんは 右京さんのイメージが強くなりすぎて 他のドラマや映画に出演しても 皆右京さんに見えてしまうということで 困っておられるのだそうです。俳優さんは一つの役柄が 大当たりすることは喜ばしいのかもしれませんが あまりに見る側のイメージが強すぎても 困ったことになるのかもしれませんから 難しいお仕事だと思います。

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