9月5日盲導犬が人を誘導している途中で負傷する悲しい事件がありました

皆さんはラブラドールといえば 盲導犬や聴導犬の代表選手であり 凄く大人しくて賢い犬種だと勘違いされているのかもしれません。私の患者さんに現役で盲導犬もしくは聴導犬として働いているラブラドールは残念ながらいません。ですから 私はごく普通にペットとして飼われているラブラドールしか知りません。

普通のラブラドールは はっきり言ってかなりがさつです。凄く落ち着きがありません。盲導犬になるような犬は もともとその素質を持った選ばれた犬が 厳しい訓練を受けて 立派に成長して 盲導犬としての役目を果たせるようになるのです。今回被害を受けた子は自分が攻撃されて負傷しても 誘導している人間にそのことすら気づかせずに振る舞いましたから 凄く優秀な子だと思います。攻撃した犯人が現在のところ見つかっていませんから よほど人目のない場所で狙いすまして攻撃したのだと思います。

世の中には犬の大好きな人が沢山いらっしゃいます。当然 犬の苦手な方 もしくは犬の大嫌いな方も同じぐらい沢山いらっしゃると思います。私たち獣医師は もともと動物が好きだからこの仕事を選んだのだと思いますが 当然仕事柄噛まれたり引搔かれたりしますし、素直にゆうことをきかない子も少なくありませんから、長年仕事をしていると だんだん動物好きではなくなってしまう事もあるかもしれません。

犬嫌いの人にすれば 盲導犬が人の歩く道を堂々と歩き 電車やバスに乗り込むことに 嫌悪感を持たれるのは致し方のないことかもしれません。しかし、盲導犬や聴導犬は 目や耳の不自由な方を手助けするパートナーとして 本来人間のいるスペースに存在することで一生懸命にその使命を果たしているのです。

今回の犯人は 人間を手助けしている犬に危害を加えるのではなくて 本来ならその犬を連れている飼い主に 己の不満をぶつけるべきだったと思います。そうすれば己がどんなに我儘で自己中な理屈から腹を立てているか明確になります。目の不自由な方、耳の不自由な方でも 用事があれば人通りを歩くのは当たり前だし、必要に応じて公共の乗り物を利用するのはごく普通の行為です。その人を援助している犬がその方に同伴するのは当たり前のことです。

目や耳の不自由な方に対して直接危害を加えたりしたら 傷害罪という重い罪になり それなりの罰則が科されます。けれどもその同伴している犬に危害を加えても 器物破損というごく軽い罪にしかなりません。子供がいたずらでよその家の窓に石を投げてガラスを割ったのと同様の罪にしか問われないのです。

こんな卑劣な犯罪を犯したものは いっそ死刑にでも処すればよいと思います。そんな重い罪に問われるとしたら 今後この手の犯罪はなくなると思います。勿論、犯人が見つかって マスコミで実名まで報道されれば ひどいバッシングを受けてそいつの人生は実質的に終わりを迎えるのかもしれませんが 人権保護の為とかいう理由で 実名が伏せられてしまっては そいつの人生に大してダメージを与えることができません。

そんな卑劣な奴の人権など保護する必要があるのか大いに疑問に思います。よくあるケースですが 凶悪な犯罪が起きた時 被害者は実名が報道されて その家族までがより辛い目に合うのに 犯人の方が実名を伏せられて守られるのは全く理解できません。そんな凶悪な犯人は一族ともども末代まで恥をさらせばよいのにと思うからです。

盲導犬を負傷させた犯人が 一日も早くつかまり そんな奴の人生が御終いになるのを願ってやみません。

 

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