1月18日 新春句会なるものに参加してまいりました

この句会は 私が昨秋から参加させていただいております 枚方市の俳句同好会 努(ゆめ)句会の 新年の恒例行事なのだそうですが 枚方 交野にある同門の つまり同じ俳人の方にご指導いただいております四つの句会が合同で行われる 新春の時期に開催される特別な句会です。特別な意味合いは 普段からご指導いただいております 俳人つまりプロの俳句を作っておられる先生が 東京に在住なのだそうですが 年に数回特別な句会にだけ 大阪まで出張いただいて 直接ご指導いただけるのです。
いつもの句会ですと 参加する人数が十人前後ですが 今回は四句会合同なので 二十人以上と多いので 会場もいつもとは異なり大きな部屋で開かれました。一番の上座の正面に 顧問の先生が座られていましたので 私は年齢的にも若輩者ですし 一番の新参者であり 俳句についても勿論一番の初心者ですので 一番の下座と思われる席に着席しておりました。努句会の幹部の方が会場に入ってこられて 私が呼ばれましたので 前の方に出向きますと 顧問の先生に直接紹介されました。「若手の有望株です」などとくすぐったくなるような紹介をされてしまいました。私も還暦を通り越しましたが この集まりの中では最年少でありますし 数少ない男性会員なので 期待されてはいるのかもしれません。この集まりの男女比は 男性が四割にも満たないのかもしれません。
やるべき作業は いつもの句会と同じですが 私は十二時まで仕事をしてから 会場に向かいましたので 遅刻して準備段階で 到着しました。いつもの句会のように 提出された俳句が 人数が多いので百以上もありましたが 清記されたものが 各自に配られました。それらから 自分の気に入った俳句五つを選んで 提出しなければなりませんので 慌ててそれらの俳句に目を通そうとしましたが 直ぐに顧問の先生の俳句についての講演が始まりましたので そちらに注目しました。ホワイトボードに 四つの俳句が書かれてあり その俳句についてや 作者 時代背景などが説明されて それらの俳句の解釈の仕方などが説明されましたが 何しろ俳句についての 基礎的な知識が殆どありませんので 十分に理解できたかと問われれば 残念ながらノーと返事をせざるを得ない状況でした。 
まああまり理解が伴わないのですが 退屈しない程度で先生の講演が終わりましたので 沢山の俳句から 自分のお気に入りの俳句ベストファイブを選ぶ作業が始まりました。選んだ俳句は 後ほどみんなの前で発表されますので 慎重に選びます。私は とにかく俳句についての基礎的な知識が乏しいので 俳句には よく使われる言葉や 慣用的な表現への理解が乏しいので 俳句特有の表現がされていると その内容が理解できませんので 必然的にそのような俳句は 私の選から外れてしまいます。読めない漢字表記の言葉や 聞いたことがなくてその意味合いが見当もつかない言葉を使われている俳句も 同様に外されてしまいます。
別にどの俳句が気に入ろうと 自分の勝手なのですが やっぱりほかの方がいいと感じられた俳句を 選んでいれば ホッとします。所が 私だけがいいと感じた俳句がいくつもあると やっぱり俳句に対する感性がまだまだ未熟なのかもと 心配になってしまいます。本日の選句でも 五つのうち 二つが 私だけの選句になってしまいました。まあその句の作者にしてみれば たとえ私だけでも 選んだわけですから いやな気分ではないはずですが 後ほど選んだ理由をみんなの前で発表しなければなりませんから 自分だけが選んだりしていると 選んだ理由を述べるときに かなり緊張してしまいます。ほかに選句した三つは 結構ほかの方も選ばれていましたので ホッとしました。
私は 直近の句会で 二回続けて一つも選ばれない 残念な結果に終わっておりましたので この句会でも一つも選ばれないのではないかと 心配しておりました。先生の俳句も含めて 百以上も並んだ俳句から ベストファイブに入ったと思っていただけなければ 選ばれないのです。但し今回の句会では 有難いことに 二つの俳句を拾っていただけました。
一つは 先日このブログで披露しました「去年今年 狭間探すれど 継ぎ目なし」です。この句については 先生からも 「なかなか良い句だ」とお褒めの言葉を頂戴しましたので とても嬉しかったです。もう一つは「晩三吉(おくさんきち)晩性もよし 大器なら」という句でした。晩三吉というのは 冬の季語で 正月から春ごろにかけて 収穫される梨の一種で 収穫時期がとても遅いので有名な品種です。晩成もよし大器なら というのは大器晩成という熟語をひっくり返して表現しただけの事でした。お一人の方が気に入ったと 選んでいただけましたが 先生からは 下五の「大器なら」という表現が ありきたりで面白くない と指摘されてしまいました。
大器晩成 という誰もが知っている四字熟語を もじって表現できたので 簡単に安心してしまったのですが 努句会の先輩から「人もまた」といった表現の方が よかったのではないかと アドバイスいただきましたので 凄く納得しました。やっぱり 俳句においては ありきたりな表現で満足するよりも さらに広がりを求めての 一層の努力を怠ってはいけないのだと 実感しました。俳句は 本当に立った十七音の中で 無限の表現ができる 奥が深くて 本当に面白い 文学だと思います。短く 簡潔に表現するのが 大の苦手の私ではありますが あえて自分の苦手な分野に 挑戦するのが 楽しいので 今後も一層俳句にのめりこんでいきそうです。

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