1月19日 野良猫の避妊手術をしました

とある方が 野良猫の面倒をみていて 抱っこできるぐらいに馴染んでくれたので 昨年の秋にも子猫を出産していたので また子猫を生んでも野良猫が増えるだけなので避妊の手術を受けさせようと考えられて 連れてこられました。私の顔を見るなりシャーと威嚇してくる決して人懐こいネコちゃんではありません。当院では野良猫の避妊、去勢の手術は半額で実施させていただいています。費用の半額は連れてこられた方の負担 残りの半額は当院が負担させていただくという考え方です。

雄猫の去勢の手術の場合は傷口を縫合しませんので抜糸の必要がありません。ですから術後に感染予防の薬を三日間投与するだけで全てが終了します。所が雌猫の避妊の手術の場合は 開腹して子宮と卵巣を摘出しますから 小さくとも10センチぐらいの傷口を縫合します。切開して縫合したらくっつくのに大体十日間かかりますので 抜糸までは入院ということになります。避妊の手術の費用はもともと当院の場合すごく安く設定されていますが 十日分の入院の費用や抜糸の費用など含めてトータル金額の半分を負担いただくわけですが どうしてもウン万円にはなってしまいます。

連れてこられた方がその猫を引き続き面倒をみるのならまだしも 抜糸して退院したらそのままサヨナラされるのです。言ってみれば行きずりの猫ちゃんの為にわざわざその猫を確保して病院まで連れてきて 半額になるとはいえウン万円の費用を支払われて また迎えに来られて元いた場所に放してあげて サヨナラするなんてよほど猫が好きであり 経済的にも精神的にも余裕がなければできない立派で素晴らしいことだと思います。

その立派な行為と分っているのならもっと安価な価格設定ができないのかと思われるかもしれませんが 当院としても結構負担は大きいのです。もともと野良猫が対象になりますから なかなか馴染んでくれなくて ご飯も全く食べない子もいます。そんな時には点滴で栄養補給をしてついでに抗生剤も混入して投与します。傷口の消毒もできれば毎日やりたいのですが 中には暴れて抵抗して十分にそんな処置ができない子も少なくありません。

当院ではペットホテルで猫のお預かりもしていますが 何もせずに十日間預かった場合、26500円いただきます。それとほぼ同等の金額で避妊の手術をして化膿止めを投与して、傷口の消毒をするのです。それもなかなか馴染んでくれない野良猫を相手にするのですから スタッフも負傷を覚悟で取り組むのです。ですからどうしてもウン万円の費用が掛かるのはご理解いただきたいのです。それでも何とか野良猫を減らすためには 地道に避妊の手術を実施していくしかないと思います。

このブログをお読みいただいている方の周囲にも 野良猫はいるかもしれません。猫は半年で大人になり年に二回の発情期を迎えます。放っておけばネズミ算式とは申しませんが 健康な雄猫と雌猫がいれば たった二匹の親猫から一年に10匹ぐらいの子猫が生まれるかもしれません。その子猫も半年後は大人になり繁殖能力が備わるのです。どこかで歯止めをかけないと野良猫はどんどん増殖してしまいます。そして目にはつきませんが相当数の猫が生き残れなくて 寿命を全うできずにどんどん死んでいっているのです。そのような展開は決して猫自身にとっても待ち望む幸福なものではないと思います。

ですから猫の幸せの為にも 確保できて病院に連れてくることができる子なら どんどん当院に連れてきていただきたいと思います。世の中には猫が可愛いから、猫が大好きだからと言って野良餌に与え続けて自己満足に浸っている大馬鹿者が沢山います。そんな大馬鹿者がいるから山田池公園が猫であふれかえっているのです。猫も動物ですから 餌を食べれば当然糞や尿をするのです。飼い猫の面倒をみている飼い主さんは餌を与えて糞尿の後始末も自分でされます。野良猫にえさを与えて自己満足に浸っている方たちで野良猫の糞尿の後始末をしたことがある方はいらっしゃるのでしょうか。そのような次元の低い自己満足に浸るのはなくて 猫の将来をもっと視野を広げて考えるなら 出来る子からどんどん避妊、去勢の手術を施してあげることを考えてあげていただきたいと思います。

たまには まじめで建設的なことも書いておかないと 人格を疑われそうで心配なので 一生懸命に書いてみました。猫にえさを与えている方はムッとされたかもしれませんが そのようなご自分の行動を客観的に見直していただきたくてあえて書きました。私の真意をご理解いただけるようにお祈りして今日はこのあたりで終りにします。

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