1月2日 おせち料理について思う事

 おせち料理といえばやはり子供の頃から食べなれた林家の味が忘れられません。昨年まではお袋がなくなり 父親一人暮らしの実家ですが 頑張って手作りのおせち料理を作ってくれていました。お袋さんの晩年は身体障害者で寝たきりに近かったので 普段の食事もおせち料理も殆ど全て父親が作ってくれていました。お袋さんが味見をして 調味料などを指示すると何時ものお袋の味になっていました。

 二人とも九州出身なので 基本的に九州風のおせち料理だったと思います。がめ煮といって 鶏肉や里芋、蓮根、椎茸、牛蒡、蒟蒻等を甘辛く煮たもの、黒豆、大根と人参の紅白のなます、数の子、牛肉で牛蒡をまいて味付けしたもの、だし巻き卵、鰤の塩焼き、栗きんとん、殻付き海老の煮物 この辺りまでは家で手作りでした。その他の田作りやぼうだら、紅白の蒲鉾等はスーパーから出来合いのものを買ってきて上手に重箱に詰め込んでありました。

 御雑煮は丸餅をこんがり焼いてお澄まし仕立てです。具材は鰤、鶏肉、蒲鉾、里芋、大根、人参、青菜、栗、スルメ等とかなり具だくさんのお雑煮です。一度だけ旅館でアルバイトした時に京都風の白みそ仕立ての甘いお雑煮を頂いたことがあります。驚いたけれどそれはそれで美味しくいただきました。狭い日本でも少し地域が異なるだけで お雑煮をお正月に食べるというのは共通の習慣だけれど 同じ名前の食べ物でもかなり異なる食べ方をしているのは不思議です。

 昨年までは父親が頑張っておせち料理をお袋がいた時と変わりないレベルで作ってくれていましたが もうすぐ八十七歳になる老人なのでさすがにしんどくて出来合いのおせち料理の詰まった重箱を購入してくれていました。本来なら私の奥様が年末から手伝いに来ておせちづくりや大掃除をしてくれるといいのですが 奥様は今やトリマーさんとして犬のカットが年末はかきいれ時なので実家へ手伝いには行ってもらえません。

 出来合いのおせち料理は初めてではありません。十数年前に一度百貨店だったか料理屋さんだったか覚えていませんが数万円のお重を購入したことがあります。一段目にるっぱな伊勢海老が乗っかっていて見た目には確かに華やかですが伊勢海老なんて実質食べられるところはほんと一部分です。その他にも見た目は華やかな料理が並んでいますが 日持ちさせるためか味付けが濃すぎて 我が家の人間の口には合わず 殆ど食べずに捨ててしまいました。

 それ以来父親が頑張って作ってくれていたのですが 今年はさすがにギブアップしたので 出来合いのもので我慢することになりました。父親がパンフレットの写真を見て選んだのですがほぼ二人分で一万円位だったそうです。パンフレットの写真はそれなりにプロのカメラマンが撮影しているのでしょうから立派に見えます。おせち料理を入れるお重だから少なくとも一辺が二十センチ以上だと想像しますが 実物は一辺が十五センチ位でした。勿論パンフレットにはお重のサイズは明記されていませんし こちらが勝手に想像しただけですから 文句を言ってもしょうがないのですがお重のサイズが思っていたよりもずっと小さいと 必然的にそのお重に収まっている例えば海老のサイズまでコンパクトになってしまうわけです。私が勿論元旦に初めてそのお重を見たので 世の中にはこんなにコンパクトなお重があるものなのだと思ったくらいですが父親は少しだけイラッと来ていました。

 まあ、味付けは可もなし不可もなしといった無難なもので 特に美味しくも不味くも感じませんでした。ただこれだけの内容ならスーパーで上手に買い集めて自分でお重に詰めたら半額位でできるだろうと思いました。来年からは私が自分でお重におせち料理を詰めることをチャレンジしていみようかとも思います。まあ料理も作る人によって味や見た目が変わっていくのは必然的な事ですから うちのおせち料理も変化していくのは仕方のないことかもしれません。

 それにしても大阪で五十回ぐらい新年を迎えていますが 大阪特有のお雑煮というのを食べたことがないのですが基本はお澄まし仕立てで丸餅を焼かずに入れるそうです。九州というか両親の出身地では同じ丸餅をこんがり焼きますのでそのほうが香ばしくて美味しくいただけそうに思います。昔から、そして多分これからもお正月に御年賀でよそのおうちへお邪魔する習慣がないので結局本物の大阪風お雑煮とは無縁のままかもしれません。

 今日は二日なのでまだおせち料理でも大丈夫かもしれませんが 明日は三日目ですからさすがに飽きてくるかもしれません。御餅も少しだけは買いましたが早めに食べないとカビが生えるので 頑張って食べようと思います。結局は正月でまた太ってしまうので早く普通の生活に戻ろうと思います。皆さんも食べ過ぎには気をつけましょう。それでは失礼いたします。

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