1月23日 朝一で患者さんの訃報が届きました

朝の九時過ぎに電話が鳴りましたので でてみると 十年来の常連さんである飼い主さんからの 暗い声での電話に 不安な気持ちで応対しました。15歳のダックスフントの男の子です。ここ数年 心臓弁膜症を患って キチンと投薬による治療を継続しておられました。昨夜十一時過ぎに 既に就寝していたはずのその子が普段とは異なる促迫した呼吸をしていたので 飼い主さんご家族が 心配して声をかけると 辛うじて目を覚ましましたが既に意識が朦朧としていたらしいです。ご家族全員が変わるがわる声をかけると それらに精一杯反応したみたいですが やがて力尽きたかのように 意識が薄れていき そのまま眠るように息をひきとったのだそうです。
飼い主さんご一家が眠りにつかれる少し前に 呼吸の異常に気付かれたので 最期を看取ってあげられたのだと思うと 亡くなったことは悲しい事ですが 看取ってあげられたのは ある意味ラッキーな事のように思えます。呼吸不全が始まるのが もう少し遅かったら 朝になって冷たく そして硬直したその子とご対面することになっていたのだと思います。その子としても 長年大切に可愛がっていただけていた 飼い主さんご一家と最後にお別れが出来たのですから 凄く幸せな亡くなり方だったと言えるのではないでしょうか。
15歳ですから 犬の平均寿命まで生きながらえてくれました。晩年の三年ほどは 直る事のない致命的な心臓病を患っていましたが 飼い主さんが 心底ペットを大切に思われていたのでしょうから なかなか計青くしにくい 心臓病の治療を頑張って継続されました。途中で断念されてしまって かなり寿命を縮められる飼い主さんが多いです。まあ人間 自分の事でも持病の治療をきちんとできない方も少なからずいるみたいですから しょうがないのかもしれません。でもこちらの飼い主さんは 最後まで心臓病の治療をきちんと継続されていたからこそ 最後にお別れが出来て 看取ってあげられて 本人もそれ程苦しまずに済んだのだと思います。
全ての生き物が もちろん人間も含めてですが 生まれたからには 必ず間違いなく 何時か死を迎えるのです。出来たら一日でも長生きしたいのは 当然でしょうし のたうち回って苦しみながら 逝くよりも 安らかに眠るように 息をひきとりたいと望むのは 当然の事かもしれません。出来たら愛する家族に看取られながらなら 最高の逝き方のように思います。私もあと10年+αしたら その時を迎えるだろうと覚悟しております。この子の様に とても幸せな生き方 そして最期の逝き方が出来る事を期待して これからの人生 真面目に大切に生きていこうと考えております。

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