10月6日 ずっとお預かりしている大きな犬が重体になってしまいました

昨年からずっと一人暮らしの男性が飼われている黒いラブラドールを お仕事の都合で日曜日の晩以外はお預かりしています。体重は40㎏前後で 性格は人懐こくて とても賢いのですが 鳴き声がかなり大きいのが玉に傷です。それだけ大きな犬なので犬舎の二部屋を中仕切りを外して大きな部屋にしてお預かりしています。食欲も相当なもので それまではお預かりする犬が結構込み合っていても 飼い主さんが持参されるフードと フードメーカーから試供品として送られてくるフードで何とか間に合っていましたが 全然足りなくなってしまいました。

しょうがないので 飼い主さんに事情を話していつも食べさせているフードを 持って来てもらいました。何度が持参してもらいましたが 結局足りなくなるので ホームセンターに一番の大きな袋を買い出しに出かけました。そのフードのメーカーは 私がいつも飼い主さんにお勧めするメーカーとは異なりました。私がいつも飼い主さんにお勧めするメーカーは「サイエンス」か「アイムス」だけです。

その理由は この二つのフードメーカーだけが犬の健康の事を考えてフードを作っているからです。飼い主さんがペットフードを選ぶときに重要視するのはペットが美味しそうに食べるか否かなのです。上記の二つのメーカーだけはペットの健康の事を考えて作っているので フードの味 食べ易さでは それ以外のメーカーの健康を度外視して作るフードよりも 劣ってしまう傾向があります。人間の食事にしても 健康の事を考えて栄養のバランスや 味付けにすごく注意を払うと どうしてもそれほどおいしくはなりません。健康の事は横に置いておいて 少し塩味を聞かせたり 少し脂っこくした方が 簡単に口当たりの良い 美味しい食事になるのです。

ですから このお預かりしている子のフードを買うのは 何時もおすすめしているメーカーではないので一寸後ろめたい気もしますが 家に帰った時に食欲が落ちないためにはしがたがありません。病院に長期滞在する犬はよくいますが 小さな犬の場合は病院の医局や受付のスペースに私たちがいるときに放してあげて 自由に遊ばせたりできます。所がこの子はかなりの大型犬なので 簡単に遊んであげたりできません。気候の良い季節なら 運動場につないでおいてあげたいのですが この子は散歩に出しても 食事と排泄が済むと 大きな声で鳴き出しますから 繋ぎっ放しにしておくと ご近所から苦情の電話が入りますので 鳴き出したら大急ぎで犬舎に戻すしかありません。

一週間のうち六日もお預かりすることが この一年ほどずっと続いています。飼い主さんがお仕事で関東の方へ出張が続いているのでしょうがないのですが その子のみになってみると凄く可哀そうです。もうすこし体のサイズが小さければ 時間が空いている時に近所の公園まで散歩に連れて行ってあげるのですが 何しろ40キロの巨体ですからうかつに病院の外には出せません。

ゴールデンウィークやお盆休みには ペットホテルで混みあう時期ですけれど 飼い主さんのお仕事もお休みになるので その時期だけは自宅で少しだけゆっくりできますが それ以外は週に六日はお預かりするのがまだ当分続きそうなのです。幸いなことにこの一年間は かなり窮屈な生活が続いていましたが 体調も崩さず ご機嫌で過ごしてくれましたが 先週ぐらいからついに体調を崩しました。今回お預かりしたのが五日の日曜日でしたが 先週お預かりした時から食欲が落ち気味でしたが 家に帰っても食欲が戻らなかったのだそうです。

ラブラドールという犬種は非常に食欲が旺盛な種類なのですが その子が食欲不振になるのはかなり体調が悪化している可能性が高いので 直ぐに血液検査をしました。腎機能が凄く低下していて 相当に危険な状態でした、直ぐに点滴を大量に投与して 腎機能の改善させる治療を始めました。所が翌日から足が踏ん張れなくなってしまい立ち上がれなくなってしまったのです。年齢が十四歳で 体重が40キロあるので 今まで足がふらつかないのが不思議なくらいでしたが 突然足の踏ん張りが利かなくなり全く歩けなくなってしまったのです。

情けない話ですが 私は一人では40キロの犬を抱き上げることが出来ません。奥様に手伝って頂いてやっと診察台にあげられますが治療をするのも一人では難しくなってしまいました。懸命に治療しているにもかかわらず 食欲は落ちてしまい殆ど食べてくれなくなってしまいました。犬舎の中で排泄するので 毎日部屋から引っ張り出して掃除をして部屋に戻すのも一苦労です。

何しろ大型犬ですから 歩けなくなってしまうと人間が寝たきりになった時と同様に床ずれなども始まるかもしれません。とりあえず大量に点滴を入れているので おしっこも大量にしてくれていて 吐き気などの尿毒症の症状は見られませんが 飼い主さんが迎えに来られる土曜日までに 何とか回復の目途が立ってくれればいいのですが 相当に心配な状態であるのは間違いありません。一年ぐらいずっと生活を共にしてきた私にとっても飼い犬に近い存在なので 何とか元気になってお返しできるように 精一杯頑張ろうと思います。

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