11月2日 1973年の本日突然トイレットペーパー買占め事件が起きました

約40年前に発生した 愚かな群集心理が起こしたばかばかしい事件の事です。事の発端はオイルショックです。十月の初めに産油国が第四次中東戦争が始まったのを理由として一方的に原油の輸出価格をこれまでの七割高位に設定したのです。当然石油輸入国である日本は打撃を受けました。19日に中曽根通産大臣が製紙業は紙を乾燥するのに大量の重油を用いるので 「紙節約」を国民に訴えました。

この大臣の訴えをどこの馬鹿がどのようなバカぶりを発揮して考えたのか分かりませんが 風が吹けば桶屋が儲かるの話のように原油価格が上がるとトイレットペーパーが不足するという全く根拠のないめちゃくちゃな結論に到達したのだと思います。11月1日に大阪千里のスーパーマーケットでその一人の大馬鹿者がトイレットペーパーを大量に買い込んだのです。その大馬鹿者が黙って家に帰ればいのに 周りの人にトイレットペーパーが必ず不足するからと買い溜めすることをすすめたのだと思います。

バカの周りにはバカばっかりが集まっているらしくて そんな全く根拠のない大嘘話を信じ込んでしまい大量にトイレットペーパーを買い込む主婦が続出しました。更にその周囲にいるバカたちが つられてその騒ぎに巻き込まれたのです。事がここで終わっていればほんの一地域の馬鹿者たちの馬鹿騒ぎですんでいたはずです。

ところがその翌日即ち二日に 運悪く大した事件が起こらず この馬鹿騒ぎが全国版のニュースで流れてしまったのです。所がそのニュースを流したキャスターが また運の悪い事に馬鹿野郎だったらしくて 馬鹿が馬鹿騒ぎを起こしました、チャンチャン位の調子で放送すればよかったのに トイレットペーパーが不足するという事は何の根拠もない馬鹿話として伝わらず それを見た愚かな人たちが トイレットペーパーが不足するという間違った情報だけを頭に入れてしまいましたから そのおバカさんたちが一斉に全国のスーパーへ駈け込んで大量にトイレットペーパーを買い込みだしたのが39年前の本日だったという事です。

本当に日本人は 中国人よりは大分ましだとは思いますが 愚かな人たちが多いと思います。数日で現実にトイレットペーパーは何処の売り場にもおいていなくなりました。当然でしょう。トイレットペーパーなんてそんなに価格が上下するものではありませんし、かさばりますから普段からそれほど大量に買い置きする人は殆どいないはずです。ですから 小売店も大体普段の売り上げから在庫量を割り出すのでしょうが当然かさばるものですから売れたら売れた分だけ補充する形で仕入れていたはずです。

それが突然売り場に出したらその場で売り切れるわけですから あっという間に在庫がなくなるはずです。どこの小売店も一斉に注文を出すのでしょうがそんな注文が大量に押し寄せた問屋も直ぐに在庫がなくなるはずですから 小売店の注文に応じられません。店頭に商品が無くなったことでトイレットペーパーが不足するという嘘の情報の信ぴょう性がより高まってしまったのでしょう。尚更トイレットペーパーを求めて馬鹿高い価格が付いた商品に飛びつくような愚かな行動が繰り返されたのだと思います。製紙工場は大臣から生産を抑えるように指示が出ていますから急に増産することも出来なくて 品薄の状態が結構長く続いたのだとおもいます。

事の発端はただ一人の大馬鹿者が間違った情報を流して その周りの馬鹿者たちが巻き込まれただけの話です。運悪く全国版のニュースで流れたために 更にそのバカ騒ぎが全国的に広がっただけの話なのです。その騒ぎの渦中にいた馬鹿にしてみれば 現実にトイレットペーパーが無くなってしまったというのかもしれませんが 現実にその人たちのおうちでトイレをした時のペーパーがなくて不自由な思いをした人がいたのでしょうか。

1973年と言えば私が高校生の時ですが トイレの紙がなくて困ったことは記憶にありません。百歩譲ってもしトイレットペーパが無くなったおうちがあったとしても少なくとも新聞紙なら山ほどあったはずですから 使いやすい大きさに切りそろえておいておけば それほど不自由はしないはずです。勿論新聞紙は使い心地は落ちるけれど十分に代用できるはずです。

現実に売り場からトイレットペーパーが消えたのは 取り敢えず買い込んでおけば自分の家さえ不自由をしなければよい という愚かな自分勝手が招いた現象です。みんなが普段以上に在庫を抱えなければ 決して売場からトイレットペーパーが消えることはなかったはずです。

この現象が再現されたのが 1993年から翌年にかけての米騒動です。1993年は冷夏となりコメの生産量が普段の7割程度に落ち込みました。落ち込んだとは言っても7割は米が収穫できたのです。普通に考えればそれだけのコメの収穫があればコメ不足なんて起こるはずがありません。例年通りに米が収穫できた年には必ず売れ残る分があって古米となるのですから現実の国民が食べる量から考えたら足りないのはほんの少しだけのはずです。

なのに自分のうちだけはコメが不足する状態になりたくない という愚かな考え方の人間が大量にいたから 普段よりも大量に在庫を抱えようとするので収穫量が少ないうえに販売量が増加してしまい スーパーにも米屋さんにもコメが売っていない状態になってしまいました。なんて日本人は愚かなのでしょう。オイルショックの時のトイレットペーパーが無くなってしまったのと全く同じことを繰り返しています。結局は自分さえよければそれでいい という考え方の人間が多すぎるのだと思います。

コメが無くなった時には普段見向きもされない品種や古米などが ビックリする位の高価格で売り出され 飛ぶように売れていました。本当に馬鹿じゃないのかとその人たちに言いたかったです。自分さえよければと考える愚か者が 普段なら二束三文で流通しているようなくず米に有難がって飛びつくさまは 地獄の餓鬼そのものに見えました。

冷静になって考えれば 毎年日本は米を作っているのです。たまたまそのとしだけが悪天候のおかげで普段よりも三割ほど収穫量が減っただけなのです、現在の日本には 米以外にも主食になるものは幾らでもあります。パンや麺類だけを食いつないでも 大阪人ならお好み焼きもありますから それほど辛くはないと思います。一口に麺類と言ってもうどんや蕎麦といった和食から ラーメンなどの中華、パスタなどのイタリアンとかなりバリエーションがあります。うどんや蕎麦でもお出しを味噌仕立てにしてみたり、のせる具材に工夫すれば何日か続いても全然飽きがこないでしょう。ラーメンだって醤油味、味噌味、とんこつ味などスープを変えれば雰囲気が異なります。パスタだって市販されているソースを工夫して選べばいくらでも趣を変えることが出来ます。

私は普段10キロ入りの袋でコメを買っています。それが残り少なくなってきましたが 全く不安ではありませんでした。ただうちの両親と当時の初代奥さんの実家が 私が全然コメの買い置きをしていないことを告げると 心配して10キロ入りのコメを送ってきましたので 突っ返すのも大人げないと思い頂きました。結局はうちの実家も奥さんの実家も愚か者だったという事で情けなくなりました。

本当に不必要な分まで買い溜めるから市場に出回らなくなるという単純な仕組みを理解できない愚かな人が多いのは残念で仕方がありません。オイルショックの時のペーパー不足とその後の米騒動で日本人は全く同じことを繰り返しましたから 今後も同じように何か物が不足しそうな状態になった時には全く同じことを繰り返すのでしょうか。自分さえよければそれでいい という利己的な考え方を捨てられれば 決してこの様な愚かな行動は繰り返さないと思いますが まあ無理なのでしょう。残念ながら。

ブログ一覧