11月5日 コーヒーと紅茶どちらがお好きですか?

寒くなってきましたので 医局でお湯を沸かして ホットの飲み物をちょくちょくいただくようになりました。日本で一般的な温かい飲み物としては コーヒーと 紅茶を含めたお茶の類に 大別されるのかもしれません。コーヒーとは コーヒー豆をこんがりとローストして ミルで粉に挽いて お湯でその成分を抽出した飲み物です。淹れ方としては 喫茶店でもサイホンを使用している場合と 紙製若しくは布製のこしきを使ってドリップする方法に大別されるようです。私は一時期コーヒーに凝ってみたい時期がありましたので ホームセンターか何かでサイホンを購入して 頻繁にコーヒーを淹れていた時代がありました。違いの分かる男になりたくて 何種類かの豆で 同じように淹れてみて 違いを感じ取ろうとしてみました。
私は料理に関しては それなりに作る事にも拘りがあるつもりですし 作ってもらって食べる側になっても それなりに違いが分かっているつもりでおります。所がコーヒーの豆の種類による違いには なかなか分かりませんでした。二種類のコーヒーを同時に飲み比べてみると その苦みや酸味の違いを何となく理解できるのですが 単独で種類の分らないコーヒーを淹れてもらって 豆の種類を言い当てることが 何度チャレンジしても 出来ませんでした。そこそこ頑張ってはみたものの 結局違いの分かる男にはなれませんでした。
なかなかいい結果が出ないうちに いちいちミルで豆をひいて サイホンでコーヒーを淹れて 飲んでからの後片付けなどの手間暇が 段々面倒になってきました。少しずつでも 豆の種類の違いを判別できるようになって来れば その手間暇を面倒とは思わなかったのかもしれませんが 成果の伴わない努力を継続することは難しいみたいで アルコールランプのアルコールが切れたのを一つの切っ掛けとして サイホンは台所の隅っこで埃をかぶるようになってしまいました。
ミルで自分の手で丁寧に挽いて 挽きたてを直ぐに淹れたコーヒーが インスタントのコーヒーよりはずっと美味しいと言う事は分っていますが 細かい違いの分からない自分が 手間暇かけてコーヒーを淹れているのは 何だか滑稽に思えてきましたので いつの間にかインスタントコーヒーばかりを飲むようになってしまいました。インスタントコーヒーにも 種類や価格にかなり幅があり メーカーやグレードによって そこそこ味が異なります。レギュラーコーヒーの豆の種類の違いは分りませんでしたが インスタントコーヒーの違いは判別できたので 嬉しくて猶更インスタントコーヒーが好きになってしまいました。そんなわけで 現在は医局に三種類ほどのインスタントコーヒーを常備しておいて その時の気分で 種類を選んで愛飲しています。
お茶については 先ず日本茶ですが これは我が家では昔からかなり贅沢をしてきました。父の母 つまり祖母ちゃんが煎茶道を近所の大学に教えに行く先生の家柄でしたから 祖母ちゃんちに遊びに行くと まず最初にいつもお手前につき合わされました。子供ですからその美味しさ 有難味は理解していませんでしたが 長いこと正座をさせられたので 辛かったことだけよく覚えています。どんな味がしたかといえば 何時も飲んでいる従妹の表現を借りると 「普通のお茶に味の素をたっぷりと振り掛けたような味」なのだそうですが 言われてみると確かにそんな味がしました。
急須と茶碗でお湯を何度も行ったり来たりして 何を無駄な動きを繰り返しているのかと 思っていましたが 今になって思い返してみるとその動作によってお湯の温度を一番おいしいお茶が淹れられる温度に調節していたのだと思います。それから そのように丁寧に淹れた煎茶の成分としては グルタミン酸やイノシン酸などの旨味成分がたっぷりと入っているのだそうで 味の素をたっぷりと振り掛けたような味 というのは化学的に見ても間違っていない表現だったのかもしれません。そんなわけで父方の実家はお茶の先生の家柄で 日本茶とは縁が深かったようです。
それから母方の実家が 観光バスが休憩所として使うぐらいに大きなお菓子屋さんでした。家の裏には かなり広い工場も併設されていましたから 主に和菓子を作っていたように記憶しています。結構今では全国的にも有名になってきている八女茶の産地ですから お店の人気商品としては 茶羊羹や茶飴 抹茶カステラなどがありますし 八女茶の詰め合わせも販売しています。ですから母の実家から時々送られてくる小包には 子供の喜びそうなお菓子とともに 上等の日本茶 百グラムが千円以上のものばかりがたっぷりと 届いていましたから 普段からそんな上等のお茶ばかり飲んでいました。近所のおばちゃんが我が家に遊びに来た時に「林さんちの日本茶は凄く美味しい」と喜んでいましたが 当然の事かもしれません。
そんな訳で日本茶に関してはかなり恵まれた環境で過ごしていたので 普通の方よりも日本茶が好きだったのかもしれません。紅茶は朝食がパンの時に コーヒーにあきた時や たまたまきれていた時に登場する飲み物でした。レモンをわざわざ輪切りにするような習慣はなくて 何時もミルクを垂らしてミルクティーばかり飲んでいました。砂糖をたっぷりと入れて 甘ったるいミルクティーは口当たりが良いので 嫌いではありませんでしたが コーヒーの苦みほどのインパクトはなくて 若干物足りなさを感じていました。
コーヒー専門店は 割とよく見かけますが 紅茶専門店と言うのは あまり見かけないような気がしていましたので コーヒーの方が奥の深い飲み物かと思っていましたので 何とかコーヒーの違いの分かる男になりたかったのですが 味音痴なのを自覚させられて 諦めました。結構年配になってから 紅茶にもかなり産地によって種類があり それぞれに味も香りも異なることが分ってきました。それに私の大好きなドラマの登場人物「相棒」の右京さんと「メンタリスト」のジェーンさんが 紅茶好きなので 最近は紅茶やハーブティーに興味が湧いてきています。勿論右京さんの紅茶のティーカップへの注ぎ方も真似してみますが 絶対に上手くいきません。
現在は紅茶も二三種類のティーバックを用意して その時の気分で 飲み分けていますが 紅茶の方が種類 産地による個性が際立っているようで 違いが分かり易いので 安心して楽しんでいます。そんな事で 現在の私はどちらかというと六四位の比率で紅茶を多く飲んでいるように思いますが 勿論コーヒー嫌いになったわけではありません。まあ人間犬好きの人と猫好きの人がいますが どちらもウェルカムの人もいれば どちらかしか受け付けない方もいるのかもしれません。私は犬も猫もどちらも飼ったことがありますし 仕事柄どちらかは苦手なんて言ってられませんから 両方とも可愛く思います。
関西の方は うどん派が多いのかもしれませんし 全国的に見ても有名なうどんの産地が少なからずあります。蕎麦についても有名な蕎麦どころが沢山ありますから 日本全体としては どちらが優勢なのかわかりません。私はどちらかというと蕎麦の方が好きですが 香川県を旅行した時は 讃岐うどんを何杯も美味しく頂きましたから どちらでもウェウカムです。どちらかしか食べないような意固地な方は少ないのかもしれません。
コーヒーと紅茶も 別に対立する飲み物ではないので 別に白黒つける気もないし 私はどちらも美味しいと思います。まあ話の種にでもなるかと思って ブログの題材にしてみました。

ブログ一覧