3月3日 昼から 一つ目の大学のサークルの同窓会に参加しました

私は 決して人に誇れることとは考えておりませんが 大学を二つ卒業しました。一つ目が立命館大学理工学部化学科高分子研究室です。二つ目が 現在の職業につながる岐阜大学農学部獣医学科薬理学研究室です。一つ目を卒業してから四十年近くがたちますから 勿論担当して頂いた研究室の教授もお亡くなりになっておられるようです。私は現役の時に 第一志望として大阪府立大学農学部獣医学科を受験して 合格できませんでした。一旦は獣医師になる夢を諦めて 不本意ながら 立命館大学に入学しましたので 化学と言う学問自体嫌いではありませんでしたが 真剣に取り組む気持ちにはなれなくて ただ卒業するために単位を取得して 就職活動をして 塩野義製薬と言う会社に入社しました。
そんなわけで 授業には必要最低限度にしか出席しませんでした。殆ど化学について 人に自慢できるレベルの知識は身についてはおりません。授業をサボって サークル活動にばかり精を出しておりました。そのサークルが 混声合唱団です。名称を「メディックス」と言います。ムラサキウマゴヤシという花の名前なのだそうです。その花の現物を見たことはありませんが 一輪だけでは貧相で華やかさもありませんが 沢山集まるとそれなりの美しさや可憐さが感じられる花なのだそうです。一人一人の歌声は大したことないけれども そこそこの人数が集まって 頑張って練習を重ねて 気持ちを一つにすれば それなりの魅力的な合唱を披露できることを目指してつけられた名前なのだそうです。
数十人からなるサークルですから 練習会場としては ピアノがステージ上に常設してある 大教室を使用していましたが 活動の拠点としては部室確か当時はボックスとみんなが呼んでいた部屋がありました。私は学生でありますから あくまでも本分は勉学であるはずで まずは教室なり研究室に顔を出すところから一日が始まるはずなのに 取り敢えずサークルのボックスに顔を出しておりました。朝一でボックスに顔を出すような学生は 授業にまともに出席していない ろくでもない学生のはずですが 結構ボックスには誰かしらいましたので その連中とインスタントのコーヒーでも飲みながら グダグダとダベッテおりました。
学生なら喫茶店で グダグダするのが当時の流行でしたが 私は喫茶店に出かけるお金がなかったので ボックスの香りが殆どしないインスタントコーヒーで辛抱しておりました。昼になると 生協の食堂で 卵ご飯定食ばかり食べておりました。当時 中ライスが60円で 生卵が30円に味噌汁10円をつけて 合計百円 ワンコインで昼ご飯を済ましておりました。当時私は一月の小遣いが一万円でしたし 定期的なアルバイトもしておりませんでしたので とにかく貧しかったのです。経済的にどうしても苦しい時には 裕福な先輩に精一杯尻尾を振って ヨイショしておごってもらう作戦を実行して 結構成果を上げておりました。
本来のサークル活動である 合唱の方は 私はピアノを長年やっておりましたので 符読みつまり楽譜を見て音程やリズム通りに歌う事は 簡単でしたが 響きのある合唱向きの発声がなかなか身につかなくて 苦労しておりましたけれども まあ楽しく皆と歌っておりました。勿論百人近い男女が寄り集まっているサークルでしたから 仲良くなれる人がいれば どうしても波長が合わなくて 人間関係が難しい事を実感したことも何度もありました。
でも卒業して四十年近く経っても 誰かが集まろうと声をかけてくれれば 二三十人の人間が 何とか都合をつけてでも集まろうとする位ですから 結構仲が良くて 和気あいあいと活動していたのだと思います。本番の集まりは 旅館で夕食を取りながら ゆっくりと旧交を温めようという事でしたが せっかく京都に集まるのですから 懐かしいキャンパスをウロウロして思い出に浸りましょう と言う企画を私が言いだしまして 昼の二時に集合をかけてみました。
その企画を思いついたのが 一週間ほど前でしたし 幹事の方にお誘いのメールを送ったのが ほんの数日前でした。急にそんな事を言われても対応できない方が殆どだろうと思っていましたが 約束の時間に 集合場所に行ってみると 頭が薄くなった爺さんばかりが 五人も集まって頂けました。さっそくいつもの練習場所である教室を覗いてみようとしましたが 勿論使用許可を取っていませんから扉に鍵がかかっていて入れませんでした。その建物の屋上が結構見晴らしが良いので上がってみました。私たちがいた頃には全く存在していなかったお洒落なエレベーターに乗り込み最上階まで行ってみました。
昔は 勝手に屋上に出られましたが 現在は管理が厳しくなったのでしょうがないのかもしれませんが 屋上に出る扉も鍵がかかっていました。その校舎を出て 私たちの理工学部があった場所に向いました。もうかなりの昔に 理工学部は草津キャンパスに移転してしまっていましたので 私たちが使用していた建物は残念ながら影も形もありませんでした。その代りにもっとお洒落な名前の学部の かなりお洒落な校舎が並んでいました。私たちの頃には 理工学部の建物は一号館から七号館まで 数字で呼ばれていて味も素っ気もありませんでしたが 現在存在している校舎には もっともらしい立派な名称がついているみたいで 少し悔しく思いました。
見たことも聞いたこともないような学部の こ洒落た校舎の前を通り抜けていくと 依然は体育の授業の時使用していた運動場のあった場所が 如何にも大学のキャンパス と言った雰囲気の公園になっていました。現在の学生は体育の授業はどこで受けているのか疑問に思いました。辛うじてボックスのあった学生会館は 現存していましたが 併設されている喫茶店は 凄くおしゃれに変身していました。私はそこでお茶でも飲もうと考えていたのですが 本日はお昼で営業終了みたいでした。隣の以前は体育館だった建物の前を通ると 見た目から全然変わってしまっていてなんと立派な図書館になっていました。
その中にタリーズコーヒーと言う喫茶店がありましたので そこでみんなでお茶をにみながら一服しました。のんびりと話しながらグダグダやっていましたので いつの間にか夜の本番の集まりの集合時間が迫ってきましたので 友人の車で移動しました。集合時間よりもかなり早めに到着しましたが 既に集合場所には かなりの人数が集まっていました。昨年集まりがあった時に顔を合わせていた人もいましたが 卒業して以来初めて再会する人たちもいました。最初は一体だれなのかさっぱりわからない方もいれば 現役の学生時代とさほど変わっていないような若々しい人もいました。
風貌が変わってしまっているのは やはり男性の方が多かったように思います。残念ながら 禿ジジイになってしまっている人も少なからずいました。私はかなり白髪が増えてしまいましたし 頭髪のボリュームも全然なくなってはおりますが まだ禿ジジイにはなっていないつもりです。但し私の場合 現役の学生時代よりも体重が30キロ近く増加してしまっていて 体形そのものが大きく変化してしまっていて そちらで皆さんを驚かせてしまいました。風貌の変化に最初は戸惑いを感じた方々とも 暫く話 していれば 人柄は学生時代とあまり変化していない方ばかりみたいで 直ぐに打解けて昔話に花が咲きました。
私自身 かなり大きく変化していて お恥ずかしい限りでしたが 男性でも女性でも 学生時代に可愛らしかった方の方が 変化が大きいように感じてしまいます。学生時代の可愛らしいイメージが 年齢なりにオジサン オバサンに変化してしまっていることに かえってそのギャップを大きくとらえてしまうのかもしれません。それにしても学生時代にほっそりしていた方は 相変わらずほっそりしたスタイルをキープされているのには 驚いてしまいました。六十歳前後になって スマートな方は 一生太る悩みとは無縁なのでしょうから羨ましい限りです。
夜の宴会が始まり 最初は皆大人しく自分の席で飲み食いしていましたが みんなそこそこお酒が入ってくると 話したい人間の所に押しかけていって 座り込んで夢中になって話し込んでいました。この年齢になって みんな笑顔で楽しく会話できるのですから それなりに皆さん幸せな人生を送って来られたのだと思います。その時に初めて聞いた話なのですが 恐らく四年後ぐらいに みんなでドイツに出かけて 教会で宗教曲を歌おう と言う企画があるのだそうです。そもそも今回の集まりが開かれるきっかけは 私の二年先輩の女性で 確か普通の文学部の学生さんだったはずの方が あまりに音楽に精通しすぎていて プロの音楽家になられて活動されています。それも活動の場が 日本ではなくてドイツなのです。クラシック音楽の本場ドイツで 数十年にわたって音楽家として名の通ったオーケストラに在籍されて活動しておられるのだそうです。
その先輩がたまたま日本に帰って来られるので その先輩を囲んで楽しいひと時を過ごそう と言う企画が 発展してなんと泊り込みで 二十人以上も集まる大きなイベントになってしまったのです。その先輩の口利きで ドイツのそこそこ由緒ある教会で そこそこのレベルのオーケスストラを伴奏に宗教曲を歌おうという企画が ある程度現実味を帯びた段階まで 話が進んでいるのだそうです。四年後には 私は間違いなく仕事を引退しているはずですから その場で参加の確約を求められて OKの返事をしてしまいました。かなり昔に 自慢話としてこのブログに書きましたが この音楽家の先輩が千年に一人のアイドルと言われている 橋本環奈ちゃんの叔母さんにあたられるのです。本音としては 環奈ちゃんの事を根掘り葉掘り聞きたかったのですが 先輩と面と向かってしまうと 恥ずかしくて環奈ちゃんの話題はだせずじまいでした。とっても残念です。
話は尽きませんが 十時を回ったころに 一応お開きとなり 各自割り当てられた部屋に戻りました。私の部屋は三人部屋で 部屋割りを決めるときに いびきをかく奴はいないか という質問に手を挙げたので いびきをかく自覚のあるメンバーが三人集められました。部屋に戻って まだ飲み足りないものが お酒とおつまみの残りをかき集めてきて 飲み始めて更にダラダラと話し込みました。私が引退したら 田舎にそこそこのまとまった土地を購入して 思いっきりのんびりしたいと話すと 二人とも田舎にそこそこの土地を持っている人間だったので 田舎暮らしがいかに煩わしいものか 厄介で大変で面倒なものかを トクトクと説明されてしまい、結構凹んでしまいました。凹みながら 眠りについて 大いびきをかいて 同室のお二人に大変迷惑をかけてしまったのだと思います。そんなこんなで楽しい同窓会の一日目は幕を閉じました。

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