4月14日 1925年の本日がロッドスタイガーの誕生日です

私は自分の外見に非常にコンプレックスがあるためか 男性の芸能人はキムタクや福山君など美しい顔立ちの人が好きです。でも映画などに出演される俳優さんはどちらかというとあまり男前ではないので 主役は張れないけれど渋い演技でその映画を魅力的なものにする役者さんが好きです。

ロッドスタイガーという役者さんも私よりも三十以上も年上ですから 初めて見た時からかなりの叔父さんでしたし、決して男前ではないので それほど印象に残ってはいませんでした。一番の印象的な映画はアカデミー賞主演男優賞を受賞した「夜の大捜査線」です。

私がこの映画を初めて見たのは中学生の時でした。まだ子供でしたから この映画の主役は殺人事件を華麗に解決したシドニーポワチエ演ずる敏腕刑事だと思っていました。所が この映画が本当に描きたかったのは 殺人事件の解決ではなくて 当時のアメリカの片田舎には根深く存在する人種差別問題だったのです。

ロッドスタイガーは田舎町の人種差別の象徴のような形で描かれていましたから 何時もガムを噛んでいるいかにも印象の悪い田舎の無能な警察署長でした。しかしシドニーポアチエとともに事件を解決していく中で ポアチエの有能さに気付き 密かに敬意を払うように認識を改めていきました。最初は警察署長の中にも根強くあった人種差別の感覚が徐々に修正されたことをこの映画は描きたかったのだと思います。

警察署長宅でポアチエとスタイガーが話し込む場面がありますが その会話の内容は 全て両者のアドリブだったのだそうです。そこで「みんな私をミスターティップスと呼んでいる」という アメリカ映画史上の名セリフ百選にも選ばれた名言が誕生したのだそうです。ラストシーンで署長がティップスの荷物をホームまで運び 最後に握手する場面は 映画史に残る名場面の一つに入るのかもしれません。

私はシドニーポアチエが黒人で初めてアカデミー賞主演男優賞を獲得したのは知っていましたので てっきりこの映画で獲得したのかと思っていましたが ポアチエが実際に獲得した映画は「野のユリ」というやはり片田舎の街で修道女ばかりで教会を再建しようと頑張っている所に通りがかって さんざん再建のお手伝いをさせられて 協会の再建が完成すると去っていく流れ者を描いた映画でした。この映画の挿入歌「エーーメン」と繰り返す歌がとても印象的です。

話をロッドスタイガーに戻しますが その後はあまり作品に恵まれなかったみたいで印象に残る映画への出演はあまり記憶にありません。アメリカではC級映画の代表作と言われる「マーズアタック」に将軍役で出演していたのは覚えています。

「エンドオブデイズ」で渋い神父さん役を演じていたのも印象に残っています。十年以上前に77歳で永眠されていますが 心より冥福をお祈りいたします。

 

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