5月11日 柿の花が咲いているのを見つけました

奥様の住んでいるアパートに 柿の木が一本植えられています。毎年秋になると見事な実をつけるので 何時も大家さんからのお裾分けで そこそこ立派な柿の実が幾つかビニール袋に入れてドアノブにかけてくれているのだそうです。身がなるからには 当然花が咲いて 咲いている間に虫が受粉してくれなければ 実がつかないはずですが 私は還暦を迎えるこの歳まで 柿の花を見たことがありませんでした。草間はそのアパートの住人ですから 毎日その木のすぐそばを歩いているわけですが 昨日たまたまその木の枝を見ていたら 無数に花らしきものが咲いているのに気づいたことを 今朝教えてもらいましたので 生まれて初めて 実際にその花を見ました。
四枚の花弁が並んだ クリーム色の小さくて 割と地味な花でした。柿の実は かなり大きくて立派な姿をしていますから それなりに立派な花なのではないかと想像していましたが 実際には 葉っぱの陰に隠れて 目立たないようにひっそりと咲いていました。そしてその花の付け根には 柿の実にへばりついている四枚の葉っぱが 既にしっかりと形成されていました。恐らく花の脂肪の部分が 膨らんで立派な実に成長していくのでしょうが 早くもその葉っぱが出来上がっているのには かなり驚きました。私は柿の実があまり好きではありません。甘くて美味しいとは思いますが ぬるっとした感触が嫌いなのです。ですから自分でお金を出して 柿の実を買う事や 自らその身を包丁で皮を剥いて食べることは まずありません。
ですが柿の実にへばりついている葉っぱが何時も四枚であることは 何となく記憶しています。その四枚の葉っぱが 花が咲いている時からその場に存在しているのは 何となく不思議な気がします。花は 虫たちが蜜を吸いに来てくれて 動き回ってくれることによって受粉するわけで 虫たちを集めるのには もう少し派手な色や形の方が 目立ちやすいように思います。葉っぱの陰に隠れてしまうような奥ゆかしい花の咲き方で 十分な受粉が出来るのかどうか心配になってしまいます。
まあ虫たちの目が どれだけ色を識別できるのかどうか知りませんが それ程カラフルな色を細かく識別は恐らくできないであろうと思いますので 人間の目からみてからふるであるひつようはないのかもしれません。色や形が地味で目立たないのですから ひょっとしたら臭いや香りが 虫を引きつけるのかもしれないと考えて 花の匂いを嗅いでみましたが 取り立てていい香りも独特の臭いも感じられませんでした。まあ人間の嗅覚なんて 知れていますから 虫たちからすれば 柿の花には それなりに魅力的な香りが漂っているのかもしれません。鼻を観察している間にも アブのような虫が二匹飛んできて 蜜を吸いながら 花の中で動き回っていました。
柿の木は 子供の頃に住んでいた団地のすぐ側にも何本も生えていました。物干し竿のようなものを使って まだ緑色の柿の実を枝から降り取って 齧ったことを覚えていますが 子供の頃の観察力では とてもこの小さくて地味な色の柿の花は見つけられなかったろうと思います。ひょっとしたら一生下記の花の色形を知らずにいたのかもしれませんが 奥様のおかげで一つ世界が広がりました。病院に戻ってから ネットで柿の花 と検索すると 沢山の写真が紹介されていましたが やはり目立たない花でも興味を持っておられる方が少なくないことが分り なかなか興味深かったです。今後も こんなさり気無い出会いがあれば 少しずつ人生が充実していきそうで 楽しみです。

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