5月25日 カタグロトビと言う猛禽類の爪切りとくちばしの先端を落とす処置をしました

私は 出来るだけ自分の獣医師としてのキャリアを広げようと心掛けておりますので 初めて接する動物も 基本的にはウェルカムの姿勢で仕事をしております。二十数年も病院の仕事をしておりますから 犬猫以外の動物もかなりたくさんの種類を診察して治療したり処置したりしました。例えば爬虫類なら亀やすっぽん トカゲの類からきいたこともないような種類のヘビまで診察して治療しました。ハムスターも昔はゴールデンハムスターしかいませんでしたが 現在ではかなりのバリエーションがあるみたいです。
小鳥も昔は 文鳥 十四末 セキセイインコにカナリア位のものでしたが 現在ではインコの類だけでもペットとして販売されている種類が多いので 殆ど聞いたことのないような種類のインコの治療をしたこともあります。その種類のトリと接するのは 初めてでも基本的な診察技術や治療法は 経験のある種類と共通する場合が多いからです。野鳥が怪我しているので連れてこられる場合もあります。メジロやウグイス 今の時期だとツバメのヒナなどが来院されました。勿論カラスは何度も来院して 結構長期に入院していたこともあります。ニワトリやウズラなどのいわゆる家禽類をペットとして勝っている人が来院されたこともあります。
本日はトビと言う猛禽類の爪とくちばしを切ってもらえるかとの問い合わせの電話が入りました。私はその飼い主さんに これまで猛禽類を診察治療した経験がない事を正直に申し上げて 爪や嘴のカット位なら 飼い主さんがきちんと保定してもらえるのなら 可能だと思うと答えた所 来院されました。体重が230グラム位でしたから 大きめのインコと同じぐらいの体格で 性格も割と穏やかな子でしたから 何とか爪切りと くちばしの先を切り落とせました。
普段はペットショップに連れて行っているのだが 何時も深く切り過ぎて流血騒ぎになるので 注意してほしいと言われましたので 爪もくちばしも 先端のとがった部分だけを切除するにとどめました。取り敢えずは出血しなかったので 飼い主さんとしてはとても喜んでおられましたが あまりにも切除した部分が小さいので 直ぐに爪もくちばしも元通りになってしまうと思いましたが 取り敢えずは飼い主さんのご要望にお応えすることを優先して考えましたので 致し方なかったのかもしれません。
ペットショップでは 店員さんが二人がかりで 一人が保定して もう一人が着る処置をしているのだそうですが その時はかなり嫌がって大騒ぎになるのだけれども 夕方私が一人の時間に来院されましたから 必然的に飼い主さんにタオルで体全体を保定してもらいました。いつものペットショップでは見知らぬ人に直接捕まえられているのに 本日は飼い主さんにタオル越しに保定されていましたから、安心して身を任せていてくれたのかもしれません。
それに出血するところまでカットしていないので 血管のある部分には 神経も存在しますから 当然相当な痛みを伴うけれど 本日は先端部分を落としただけなので 出血とともに痛みもなかったので じっとしていてくれたのかもしれません。まあこちらとしては 処置料として料金を頂戴する以上は もう少し大きくカットしてあげたかったのですが 飼い主さんとしては 出血もしなかったし 鳥さんも大人しくしていたので とても満足して帰って行かれましたので それでよかったのかなと思います。
以前は 猛禽類をペットにする方は珍しかったように思います。猛禽類を扱う専門店が 極少数ありますから そちらまで出かけないと入手するのが難しかったようなのですが この頃は特にフクロウやミミズクの類の人気が高いみたいで 大きめのペットショップなら猛禽類を扱っているお店が増えているのだそうです。本日の飼い主さんもわざわざ買い求めたお店まで かなり遠方なのだそうですが 爪切りに通っておられたのだそうですが 近所でもカットしてもらえると分ったので これからはちょくちょくお願いしたいと仰って 帰っていかれました。
セキセイインコや 文鳥などでも 定期的に爪切りに通って来られる方は 何人かいらっしゃいますが 小型とはいえ猛禽類ですから 爪の鋭さも迫力がありましたし 掴む力もけた違いに強かったので 結構やりにくい処置でしたが まあ経験を積んで 慣れてくればそれほど苦労しなくても出来るようになると思います。獣医さんによっては 経験のない動物との接触を避ける方もいるみたいですが 私は誰でも最初の経験は 勝手がわかっていませんから 苦労しますが 経験を積み獣医師としての間口を広げるいい機会だと考えますので 正直に初めてその種類の動物と接することを飼い主さんに説明して 了解してもらえれば チャレンジする様に心掛けております。
ナーちゃんがフクロウの姿が凄くチャーミングに思うので飼ってみたいと言っていましたから フクロウの経験値をあげておけば ひょっとしたらナーちゃんがうちの病院に来てくれるかもしれませんので フクロウを飼っておられる方で病気やけがをしたときには 一度当院にに電話をかけて頂けたら嬉しいです。

ブログ一覧