6月26日 子猫の患者さんが急増しています

猫は基本的に日照時間が長くなると 発情期が来るみたいで 毎年二月三月ころに野良猫が発情を迎えて 妊娠して四月五月に出産したのでしょうが 生後一月以上たって 離乳した時期に 親が育児放棄したり 家の物置にでも住み着いて生まれた子猫が独り歩きを始めたころにその家の人が捕まえて 捨てられるのか 詳しい事情は分かりませんが ここの所 子猫を拾ったとか 保護したとかと仰って来院される方がかなりの数に上ります。

離乳したばかりの頃の子猫は 親なり人間なりに面倒をみてもらえなければ 風邪などの病気になったり 食べ物が得られなくて栄養失調になったり、交通事故に遭ったり カラスに攻撃されて食べられてしまったり と言った原因で死亡する場合が殆どなので たまたま優しい人間と遭遇できて 面倒をみてもらえた場合には 何とか生きながらえることが出来るのかもしれません。

但しまだ生まれたばかりで 免疫力や基礎的な体力がないので 大切に面倒をみてあげていても ちょっとしたストレスが引き金になって 体調を崩してしまい 生きる死ぬの瀬戸際まで行ってしまうことが珍しくありません。そしてそんな体調の異状に気付くのは 深夜や早朝が多いので 時間外に電話がかかってきて対応する場合が多いです。深夜や早朝に対応してくれる病院があまりないみたいで 結構遠くから 例えば兵庫県や大阪市内 京都市内などの遠方から来院されることも珍しくありません。

何しろ200~300グラム位の小さな子なので 採血も難しいし レントゲンを撮ってもなかなか正確な読影が困難なので 細かい検査ができにくいし 来院された時点で かなりせっぱつまっている状態の子が多いので 取り敢えずは対症療法的な治療が優先されます。呼吸が苦しそうであれば 酸素室に入れて呼吸を楽にする薬を投与します。下痢や嘔吐を繰り返していれば 下痢止めや制吐剤を投与して様子を見ます。

とても食べられる状態ではない場合が多いので 皮下に点滴と症状の改善を目指した薬剤を皮下に流し込みます。薬剤が効いてくれるまで体力が持つことを期待するしかありません。遠方の方が多いので 入院して通ってもらうのもためらってしまいます。治療後の経過は 分らない場合が殆どですが たまに元気になりましたと連絡を頂けるとホッとできますし とても嬉しいことです。

子犬の場合は 欲しいという方は結構いらっしゃいますが 野良犬が殆ど存在しない現在 飼い犬が飼い主さんの気付かないうちに妊娠して出産する事等 極まれな話なので なかなか子犬を紹介して差し上げることは出来ません。子猫の場合は 飼い猫であっても 外出してしまう猫の場合は いつの間にか妊娠、出産してしまう事は 結構あるみたいで 子猫を貰って欲しい方は 相当数おられるみたいですが 子猫を欲しい方はなかなか見つからないのが現状みたいです。

なのに たまたま病気になって当院に来院される方は 子猫をほっておけなくてついつい飼い始める方の 極一部だと思いますが そこそこ沢山いらっしゃいますから 猫好きで優しい気持ちの方が 現在の日本にも少なからずいらっしゃることは とても嬉しいことです。か弱い子猫と巡り合ってしまったら 面倒をみてあげずにはいられない優しい方ばかりなら 犯罪や事故の少ない 住みやすい国になれるように思いますから 日本の未来は 結構明るいのかもしれません。

 

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