7月2日 スタンダードプードルのシャンプーカット

 今日は久しぶりにスタンダードプードルのトリミングをしました。病院へ患者として通ってくれているスタプーは何匹かいますが、シャンプーの依頼があったのは久しぶりです。
 スタンダードと言っても日本では飼われている数はトイプードルの何十分の一で、全然スタンダードではありません。大型犬で体重は25~30㎏位が標準的だと思います。体は四肢が長くて体重の割に背が高くて、かなり大柄に見えます。性格は穏やかで大人しいので体格の割に扱いやすいようです。
 今日来た子は初めての来院で体重が15㎏とかなりちっちゃめです。恐らく一番の成長期(生後2~4か月)に質量ともに十分に食餌を与えられなかったのだろうと思います。長いこと自宅でシャンプーされてお母さんがご自分で適当にカットしていたらしく、はっきり言ってかなりへんてこりんな容貌でしたし顎の下の縺れなどは半端ないものでした。
 でも性格が至って穏やかで協力的な子だったので、美容師さんもそれほど苦労はしなかったようです。うちの病院でのトリミング料金は標準的なスタプーが10000円なのでかなり小型だし扱いやすい子だったし、フィラリアの予防もついでにしてくれたので6000~8000円ぐらいでいくらにするか美容師さんが仕上げながら検討して決めてくれます。
 所で、私が獣医の大学を卒業したばかりの頃にはトイプードルという種類はほとんどいませんでした。ミニチュアプードルという種類がいて体重が4~7,8㎏位で結構人気がありそこそこ飼われていました。何時頃からか忘れてしまいましたが、トイプードルという呼び名のプードルが出現しました。ミニチュアプードルをさらに小型化した種類で2~3㎏位が標準的な体格だと聞いていました。小型化すればするほど華奢になり、保定したりする時扱いづらくなります。血管なども当然細くなるので採血や静脈注射が難しくなるので 獣医師としては 犬があまりに小型化するのは歓迎したくありません。
 時が流れて現在もプードル人気は衰えません。見た目も可愛いし性格も穏やかで躾け易い種類なので、私も飼いやすい犬種としてお奨めしています。でも以前は標準的だったミニチュアプードルが全くいなくなり、スタプーでないプードルは全てトイプードルと呼ばれるようになりました。ミニチュアとトイの境界線はもともと明確ではなくてトイプーが出現したころの体重2~3㎏位の体格という定義は現在では全く意味をなしません。現在は体重が10㎏位になるミニチュアプードルとしても大柄な子が堂々とトイプーとして販売されています。結局はペットショップなどがトイプードルと呼んだ方が高い価格がつけやすいので、なんでもかんでもトイプードルとして販売した結果だと思います。
 しょうもないことをグダグダ書いているうちにトリミングが完成したみたいです。来た時にはかなりへんてこりんな姿でしたが、凄く可愛く出来上がったと思います。料金は結局8000円に落ち着いたみたいです。念の為ほかの美容室がどのくらいの料金なのか電話で調査しましたがほとんどが1万数千円でした。まあうちは基本的に患者さんへのサービスでトリミングをしていますから、これくらいの料金で丁度いいのだろうと思います。美容師さん一週間の最後にこんなしんどい仕事を入れて申し訳ありません。明日は休みなのでゆっくりと休養を取ってください。ご苦労様でした。

ブログ一覧