9月18日 不愉快な通りがかりのバアサン

連休中なので ペットホテルで犬を数匹預かっていました。預かる犬は 基本的に健康な犬のはずですが 若くて元気な犬から 年老いて死にそうな犬まで様々です。預かっている犬の一匹が 年齢二十歳ぐらい、(拾った犬なので正確な年齢は不明)即ち人間にしてみれば百歳ぐらいの年齢でした。年齢相応に 足腰が弱ってしまってまともに立てないし 勿論ふらついて歩けません。認知症いわゆるボケまで相当に進行しているので とにかく顔の近くにあるものは バクバク咬みつきます。飼い主に対してさえそんな事ですから 私たち赤の他人に対しては より攻撃的な態度をとります。恐らくペットショップなどでは そんないつ死んでも不思議のないような犬は 頼んでも預かってもらえないでしょう。
この子は予防注射などをきちんとしてくれている 大事な患者さんですから 依頼があれば喜んでお預かりしています。以前にお預かりしていた時は 返す直前にシャンプーをしてきれいにカットしてからお返ししていました。所が認知症が進行してからは お湯を全身にかけられると 半狂乱の状態になってしまい とてもきちんとシャンプーして乾かしてカットすることが無理な状態になってしまいました。
この子は普段から きちんと散歩に連れて行ってもらっていないみたいです。うちで預かった犬は犬舎の中で排便排尿されてしまうと 犬舎が臭くなるし 勿論掃除も面倒なので 朝夕の決まった時間に裏の通路 いわゆる屋外に暫くつなぎます。つなぐ目的は 基本的におしっこうんこを外でさせるためなので 排便排尿が終われば部屋に戻します。散歩慣れしている犬は すぐにうちの散歩のタイミングを覚えてくれて うらにつなぐまでは排便排尿を辛抱してくれていて 外に出すとすぐに用を足してくれます。ですから殆どの犬は五分位で部屋に戻します。
所がこの散歩慣れしていない犬は 平気で犬舎の中で排便排尿を繰り返します。以前の様にシャンプーして返せるのであれば 預かっている間に少々汚れても 凄くきれいな状態で返せますから 部屋の中で排便排尿されることが 勿論掃除は面倒でしたが それほど気になりませんでした。しかし現在はシャンプーして返せないので 極力部屋の中で排便排尿されないように 注意が必要です。その為にこの子だけ他の子よりも早目に裏につなぎます。時々様子を見に行きますが なかなか用を足してくれません。その為にこの子だけ長時間裏につないでいる状態になるのです。
つまりこのよぼよぼのボケた犬を長時間裏につないでいるのには それなりにきちんとした理由があるのです。所が そんな事情は全く理解していないバアサンが 今朝病院に怒鳴り込んできました。裏につないでいる犬が死にかけている リードを咥えて苦しそうにしている と文句を言ってきたのです。
この子にしてみれば とにかく顔の周りにあるものには咬みつく癖がありますから 首輪につながれたリードに咬みついている状態は この子にとっては日常茶飯事なのです。私がその犬は確かに死にかけているし リードを咥える行為はその子にとっては当たり前の行動ですよ と答えると死にかけた犬を外につなぐなんて間違っている 動物虐待だ などと喚き散らすのです。私はそのややこしいバアサンに対して もう少し丁寧に事情を説明してやれば 多少はその犬の実情を理解したのかもしれませんが 私はこのブログに何度も書いております様に 根本的にバカは嫌いなのです。
私が私の病院内に預かった犬をきちんとした理由があってつないでいるのに なんでそんな頭の半分ボケたようなバアサンと キチンと向かい合って 事情を説明しなければならないのでしょうか。それがもし ナーちゃんのような非常にチャーミングな女の子ならば 話は別です。もしナーチャンが入って来てくれたのなら 病院の医局に迎え入れて お茶を出しての接待から始まるでしょう。この犬とはもう十年以上のお付き合いですから 飼い主さんがどこでどんなおうちに住んでいるのか とか お父さんがどんな仕事をしているのか とか どんな家族構成で娘さんがどこの学校に通っているのかさえ知っているぐらいの常連さんで いつ何があっても絶対に文句を言わない位の信頼関係のある飼い主さんの犬であることを丁寧に説明したでしょう。
なんでそんなボケたババアのそれも全然見当はずれの判断に基づいた 独りよがりの考えで怒鳴り込んできた輩とまともに相手をしなければならないのでしょうか。例えば 犬が喚き散らしているので 五月蠅くて文句を言うのなら それは勿論こちらの配慮が足りないのですから きちんと詫びを入れてそれなりに対処するでしょう。でもこの犬は普段通りにのた打ち回っていて ごく当たり前に目の前にあるリードを咥えっぱなしの状態なのです。この犬としてはごくごく普通の状態なのです。
私はきちんとした理由があって 犬を病院の敷地内につないでいるだけなのに いちいち通りがかりの人に この犬のこんな状態は ごく当たり前の状況で 全然心配なことはありませんよ と説明して回らなければならないのでしょうか。バアサンは 私が無視しだしたので 訴えてやる 等と喚き散らしながら出て行ってしまいました。恐らくうちの病院の悪口を 散々言いふらしてくれるのでしょう。こんな不愉快な思いをするのも あと少しだと自分を慰めて 何とかやり過ごしましたが またこれでうちの病院の悪いうわさが広まるのでしょうから 尚更暇になってしまうのかもしれません。でも私は あんな自己中のボケババアときちんと相手が出来るほどには人間が出来ていませんから 仕方が無い事だと諦めます。

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