9月8日 落ち着きのない犬 コッカースパニエル

 本日は偶然にですが コッカースパニエルのシャンプーカットの予約が三匹も入りました。犬は種類によって性質に違いがありますが コッカースパニエルほどがさつで落ち着きのない種類は珍しいと思います。一応小型犬の部類に入るのかもしれませんが体重は10㎏前後とかなり大きめです。性格的には非常に社交的で愛想がよいので 怖がって噛む犬は殆どいません。暴れて噛みついたりしないので それほど嫌いな子はいませんが 兎に角落ち着きがありません。恐らくトリマーさん(犬の美容師)からみたら一番カットをしたくない種類かもしれません。
 今日は三匹もカットしなければならないので シャンプー係は私が務めましたが 何しろ結構体格が良くて毛が長いので洗う作業もかなり大変です。それに非常に身が軽いので一瞬でも手を放すとシャンプーで泡だらけであろうとお構いなしで処置台から飛び降ります。ですから洗い始めてからすすぎが終わるまでほんの一瞬も気が抜けません。その後タオルで水分を取り除いてからドライヤーで乾かす作業ですが この時もトリミング台から一瞬のすきをついて飛び降りるので気の抜けない時間が続きます。結構体がでかいし毛も長いのでふわりと乾くのにはそこそこ時間がかかります。私がお手伝いができるのはここまですが、ほかの種類の犬よりもかなり体力を消耗させてくれました。この作業を三回も繰り返しましたから厄介な手術を終えたときぐらいにつかれた気分です。
 でも本当に大変なのはここからです。バリカンと鋏を使って可愛らしくカットする作業はじっとしてくれることが必要不可欠ですが 何しろじっとしているのが一番苦手な犬種です。それも三匹を続けてカットするのですから 奥様の集中力には感心いたしました。でも苦労した甲斐があって 出来上がれば素晴らしく可愛らしい姿に変身していました。飼い主さんにお返しする時の「まあ可愛い」の一言でカットしている時の泣きたくなる様な苦労は報われると奥様が仰っておられました。
 人間には向き不向きがあると思いますが 奥様が犬のカットで苦労されているのを見るとお手伝いしたくなりますが 私には一生かかってもカットはおろか仕上げのリボン付けすらできそうにはありません。勿論暴れる犬の爪を切ったりする時に体を保定したりお腹の部分のカットをするのにでかくて重たい犬の場合体を支えたりのお手伝いはしますがバリカンやハサミを持ってのお手伝いは絶対に無理です。勿論手術をするときに術野の周囲を剃毛する時のバリカンは使えますが美容の場合は全然無理です。
 あまりに奥様が苦労されているのを見ると つい出かけた時に奥様の大好きなケーキをお土産に買ってしまうのですが 結構頻繁に買って帰るので 「私がこんなに太ったのはあなたがしょっちゅうケーキを買ってきたからよ」と怒られてしまい、ケーキはお誕生日とクリスマスだけしか買ってはいけないことになってしまいました。残念ですが奥様にはいつまでも可愛らしくいてほしいので辛抱しようと思います。でも私は奥様がケーキを食べるときの幸せそうな顔を見るのが大好きなので 今度暇が出来たら 奥様をケーキバイキングにでもお誘いしようと密かに計画しています。

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